re3/reVC法廷闘争 著作権侵害では無理があるようにしか思えない

TorrentFreakで、『Grand Theft Auto III』をリバースしてPCでプレイできるようにしたプロジェクトre3と『Grand Theft Auto: Vice City』をリバースしたreVCを著作権侵害でTake-TwoがReGTAチームを訴えた裁判の現状を紹介していました。

gta3

Take-Twoとその親会社のRockstar Gamesはre3/reVCが著作権を侵害しているとしてDMCAテイクダウン(アメリカのデジタル・ミレニアム著作権法に基づいて、著作権侵害に当たるインターネット上のコンテンツを削除すること)によりGitHubリポジトリからre3/reVCのコンテンツデータを非公開とさせたものの、最終的にはReGTAチームの「フェアユース」を主張する異議申し立てにより一旦はre3/reVCのソースコードが再公開されました。

ところがTake-TwoがGTAシリーズをリバースしたre3/reVCはTake-Twoが独占的に所有する権利を侵害しているとしてre3/reVCを開発したReGTAチームを相手取り訴訟を起こした時点でGitHubのリポジトリは今後更新しないことを示すアーカイブ化されてしましたが、先月またDMCAテイクダウン(アメリカのデジタル・ミレニアム著作権法に基づいて、著作権侵害に当たるインターネット上のコンテンツを削除すること)に基づき非公開とされてしまいました。

Take-Twoに訴えられたのは、re3とreVC開発チームであるReGTAチームのAngelo Papenhoff氏(プロジェクトリーダーのaap氏)、Theo Morra氏、Eray Orçunus氏、Adrian Graber氏の4名です。

今回Take-Twoの申し立ての書類が公開され、裁判のやりとりが明らかになりました。

専門用語が並ぶので細かくは説明できませんが、簡単に争点をまとめると、

  • Take-Twoはre3とreVCが著作権を侵害していると訴えている
  • 訴えられたのはReGTAチームは、著作権侵害は一切ないとして全面否定否定
    • re3とreVCはフェアユース(フェアユースについてはこちらの記事で詳しく書きましたのでご一読ください)として保護されている行為
    • re3とreVCそもそもオリジナルのゲームがないと動作しない。GTAそのものの販売に悪影響を与えるものではない
    • オリジナルが既に数年前に放棄したバグ修正も代わりに行っている
    • Take-Twoが認めてきたゲームModはそもそもソフトウェアのリバースエンジニアリングを必要とするものであり、re3とreVCが開発段階で行ったリバースエンジニアリングと何も変わらない
    • 米国の著作権法を他国(リーダーのAngelo Papenhoff氏はドイツ在住)に適用するのはおかしい

    ユーザー視点だけで見ると、re3/reVCを開発したReGTAチームの主張はもっともで、Take-Twoの主張が全面的に認められることの方がおかしいと感じます。結局先日発売された、GTAの公式リマスター盤となる『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』の販売に邪魔だから消しにかかったとの憶測を呼ぶことになります。

    『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』はあまり評判がよくないこともあり、だったらre3とreVCの方が良いじゃん、となってしまう可能性を排除したいからこその訴訟なのだろうと勘ぐってしまいます。表向きは過去作のGTAの著作権侵害しか訴える手段がないのでそうしているだけとしか思えません。Take-TwoがGTAを独占的に扱う権利に限って言えば成立してもおかしくないですが、re3とreVCはそれ単独では何の使い道もありません。

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