GTAをリバースしたre3/reVC Take-Twoに訴訟を起こされる

wccftechで、『Grand Theft Auto』シリーズの著作権を所有するTake-TwoがGTAシリーズをリバースしたre3/reVCはTake-Twoが独占的に所有する権利を侵害しているとしてre3/reVCを開発したReGTAチームを相手取り訴訟を起こしたことを伝えていました。

gta3

re3/reVCはTake-Twoが著作権を持つ『Grand Theft Auto III』と『Grand Theft Auto: Vice City』をReGTAチームがリバースしたPC版ですが、一部のゲームデータ(アセット)は含んでいないため動作させるには本物のゲーム自体が必要です。

Take-Twoとその親会社のRockstar Gamesはre3/reVCが著作権を侵害しているとしてDMCAテイクダウン(アメリカのデジタル・ミレニアム著作権法に基づいて、著作権侵害に当たるインターネット上のコンテンツを削除すること)によりGitHubリポジトリからre3/reVCのコンテンツデータを削除させたものの、最終的にはReGTAチームの「フェアユース」を主張する異議申し立てによりre3/reVCのソースコードはGitHubに戻ってきました。しかし、今リポジトリは残っているものの今後更新しないことを示すアーカイブ化されてしまっています。

当時Take-Twoとその親会社のRockstar Gamesは法的措置を取らなかったため、「フェアユースについて認めたと解釈できる」と書きましたが、最終的にはそうならず、Take-TwoはReGTAチームに対して訴訟を起こしていたことが明らかになりました。

Take-Twoは訴訟で、EULA(エンドユーザーライセンス契約)でリバースエンジニアリングを禁止していることからReGTAチームはEULA違反を犯しており、re3/reVCはTake-Twoだけが所有するゲームをコピーする権利、修正改変して適合させる権利、配布する権利を侵害していると主張しています。

またTake-TwoはReGTAチームがゲーム自体をオリジナルが発売していないプラットフォームに移植したバージョンについて「オリジナルと同一」と主張していること自体、著作権侵害の責任を負わないことと相反しており、しかも許可されていない改造目的(MOD等)での使用を提案していることも指摘しています。フェアユースの主張についても「合法であることを著しく誤って認識した悪意のある反論」だと一蹴しています。

ReGTAチームもGitHub側とのやりとりの際既に弁護士を立てていますから、おそらくそのままの弁護士でTake-Twoとの法廷闘争に移行することになるでしょう。裁判の結果が出るのはまだ先ですが、ReGTAチームはre3/reVCのリポジトリをアーカイブ化して今後の更新を行わない姿勢を見せていることから、法廷闘争では不利になると考えているのかもしれません。

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