「世界最大」と表現されていたゲーム見本市E3 ESAが正式に終了発表

ESA(Entertainment Software Association:エンターテインメントソフトウェア協会)が、近年は毎年6月に開催していたゲーム見本市E3を終了すると発表していました。

Say_Googbye_to_E3

コロナ禍の影響でしばらくリアルイベントが開催されなかったE3。かつては新型ゲーム機を発表するなら世界最大のゲーム見本市E3で、というほど存在感は絶大でした。

E3はのアメリカのゲーム産業業界団体であるESAが1995年からアメリカのロサンゼルスで開催してきたイベントです。

かつてはゲーム業界がE3を最重要視していた雰囲気がひしひしと感じられる状態でしたが、ソニーや任天堂、マイクロソフトが不参加を決定するなどでE3自体が中止に追い込まれました。もはやイベントの存在価値に疑問符が付く状態だったと言えます。

更にE3会場となるロサンゼルスコンベンションセンターの来年と再来年の予約をESAがキャンセルしたことがわかっています。この時点で大々的なリアルイベントは中止が決定されていたのでしょう。

あの時点ではまだ会場を縮小または場所を変えての開催やオンラインでの開催は模索されていたのかも知れませんが、最終的な判断はE3終了となりました。

1ファンとしてはE3だけ見ていればおおよその情報は収集できるため、毎年E3の時期には情報収集の臨戦態勢を取っていましたので残念な感はありますが、コロナ禍の期間中情報が得られる機会が減って困ったかと言えば、全く影響なかったのは事実です。
E3自体がそもそも業界のためのイベント(そのため日本語では見本市と訳されていた)ではありましたが、一般的にイベントというのはそれを行うことでメディアが伝えてその情報を拡散するという営業的な目的のために実施するものです。ライブストリーミングやSNSの普及で同じ効果が得られるようになっている今、新聞や雑誌、テレビと言った既存のメディアに完全依存することが前提のリアルイベント開催に必然性がなくなってしまったことがE3終了に繋がったのです。

ただE3をなくても構わないものにしてしまったのは、私はコロナ禍だと考えています。E3が永遠に続くものだとまではいいませんが、長く続くことでそれは年中行事のお祭り的なものになり、開催すること自体が大切にされる文化のようになります。残念ながらそうなる前にE3はなくてもいいものに分類されてしまいましたが、コロナ禍がなければ今年もE3は開催されていたのではないかと思います。

その一方で、もし継続していたならばE3の中身は関係者メインの見本市からユーザー参加型メインのイベントへ大きくシフトする必要に迫られたかも知れません。ストリーミング配信などではできない、触ってナンボの体験を重視しなければ、今の社会ではリアルイベントを行う意義が薄くなります。

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