しばらく転売屋の餌食?Nintendo Switch 部品供給不足で年内生産に限界

Bloombergで、品薄が続くNintendo Switchについて部品の調達先となっているマレーシアとフィリピンが新型コロナウイルス対応のロックダウン(都市封鎖)の影響で今年の生産台数が制限される可能性が高いと伝えていました。

Nintendo Switch

Bloombergの記事(Debby Wu氏と望月崇氏の記事)は相変わらず英語版の記事の方が詳細で日本語版は概要(というか、肝心の後半カット)のような形になっていますので、英語版の情報を交えてお伝えします。

アメリカと中国との貿易摩擦による影響を回避するために任天堂は部品調達先を中国外へ分散しましたが、今度は分散したはずの東南アジアで新型コロナウイルスの影響により部品調達ができなくなるという不運に見舞われています。Switchの人気がコロナウイルスによる外出自粛で急上昇する中、コロナウイルスの影響で生産が思うようにできないという、コロナウイルスに振り回されている状態です。

マレーシアではSwitchの基板生産、フィリピンでは基板に実装する部品の生産をしており、生産拠点分散によりうまく有事のリスクも分散しているかのように見えていましたが、新型コロナウイルスのような世界まるごと経済停止のような場合には、生産拠点の分散は運が悪いと何の役にも立たないどころか状況をコントロールできず悪化させることがあるという事実が証明されてしまいました。

マレーシアは5月4日にロックダウンを緩和しフィリピンも5月15日以降同様にロックダウンを緩和する方針ですが、緩和イコール即元通りとはいかないのでしばらく影響が残るのは必至です。

任天堂の古川俊太郎社長は「夏ごろには新型コロナの製造に対する影響が一定程度収まる」との見通しを示しましたが、需要に対して供給が追いつかないため、これだけ品薄バカ売れでも今期(2021年3月期)の本体の販売目標は前期実績の2103万台より少ない1900万台としています。

せっかく『あつまれ どうぶつの森』が巣ごもり需要でブレイクし、それに合わせてSwitch本体の需要も世界中で大ブレイクしているのに、任天堂の今の環境では打てる手が限られているという可哀想な状況です。

エース経済研究所のアナリストである安田秀樹氏は「夏には在庫が回復すると思われるが、年末商戦では十分な供給ができず再び品薄となる可能性がある」と述べています。ただ安田秀樹氏は任天堂が5月7日に開催した決算説明会を受けて任天堂のアナリストレポートではSwitch本体は好調な販売が続くと見ていますので、任天堂にとっては悲観すべき状況ではありません。

安田秀樹氏の見立て通り年末商戦期に再び品薄になった場合、同時期に発売が予定されているソニーPS5とマイクロソフトXbox Series Xの次世代期にSwitchの需要を奪われる可能性があることが懸念されます。

ソニーもマイクロソフトも、任天堂が四苦八苦している部品供給を他国から行っているためマレーシアとフィリピンのロックダウンの影響を受けていないようです。年末商戦期にSwitchが買えないからライバルの次世代期に流れると言う可能性は十分にあり得ます。

そして、更なる懸念材料としてSwitchの需要がこのまま高いまま推移するとさらなる転売ヤーの養分化し、品薄なのに在庫がある転売ヤー商品はクソバカ高いというアホくさい状況が少なくとも年内いっぱいまで続く恐れがあります。

このブログとしてはSwitchは中古の初期モデルをおすすめしたいところですが、Amazonでも中古のクセに最安モデルでも43,000円、高いものだと59,000円というふざけた価格になってしまっています。コロナ前は25,000円くらい出せば普通に買えた中古の初期モデルですから価格が2倍になってしまっているのです。これでは初期モデルの中古はおすすめできません。

最近は量販店でSwitchの販売を抽選販売としているところが多いです。Switchが欲しい方は絶対に転売ヤーのエサには食いつかず地道に抽選販売の機会を待つようにして下さい。エサに食いつけばつくほどふざけた高額転売の流れが断ち切れなくなります。

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