マイクロソフトは利益優先の確信犯?Xbox360のディスク削り問題

Engadget 日本版で、Xbox 360のゲームディスクが削れてキズまるけになることがある問題で、証拠として採用されればマイクロソフトは確信犯で悪質とも判断されかねない従業員の証言があったことを伝えていました。【記事


「Xbox 360のディスク削り問題、マイクロソフトは発売前から認識」証言

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しばらく続報を聞かなかったXbox 360のディスク削り訴訟からおもしろい話がでてきました。先日開示された法廷文書に含まれる従業員の証言によると、マイクロソフトはディスクが回転中に本体を倒したり衝撃をあたえるといった状況でディスクに傷が付く可能性を本体の発売前から認識しており、3つのハードウェア的な解決策を検討しつつ、最終的には説明書などでユーザーへ注意喚起をおこなうにとどめたとのこと。

Xbox 360はつい先日の大規模アップデートNew Xbox Experienceでハードディスクへの取り込みが可能になるまではほぼ常に全速力でゲームディスクをブン回し続ける豪快な仕様となっており、住宅事情に恵まれない地域のユーザーの悩みの種となっていたのはご存じのとおり。

開示された文書によれば、マイクロソフトが検討したという解決策は:

ディスクホルダーの磁力を強化する (ディスク入れ替えと干渉するため没)
ディスクの回転速度を下げる (ゲームの読み込みが遅くなるから没)
ディスクが揺れた際に押さえる小さなバンパーを取り付ける (費用がかかりすぎるため没)

結局ディスクに振動が加えられた場合への構造的対策は採られることなく、説明書で再三注意する、本体のディスクトレイに封をするかたちで貼りつけたラベルにも注意書きを加えるという案に留まったとされています。またマイクロソフトは後に「いかなる理由でも」ディスクに傷が付いた場合は交換するというプログラムを実施していますが、あくまで傷つけた使い方の責任という立場から一枚20ドルの有償なうえにマイクロソフト製のタイトルしか交換してくれません。

また原告側の主張に含まれるマイクロソフト従業員の証言によれば、本体の発売から今年4月30日までの時点で、ディスクの損傷について寄せられた苦情は概 算で5万5000件。原告側はこうした点からこの問題はXbox 360の設計上の欠陥に起因するものであり、欠陥を認識していながら十分な注意をせず利益を優先したマイクロソフトの非はあきらか、よって米国のXbox 360オーナー全員を代表とした集団訴訟として扱うべきであると主張しています。マイクロソフト側のコメントは「係争中の事案についてはコメントしません」。

米国での訴訟がどちらへ転ぶかは分かりませんが、HDD取り込み中またはHDDのないアーケードモデルで取れる自衛策は本体を安定した場所に設置する、有線コントローラの場合はゲーム中にひっぱったりしないといったところでしょうか。

まもすけが裁判員ならユーザーが不利益を被る企業の商業活動には異議を唱えたいところです。本体倒したりすることは設計上想定外かもしれませんがそれにしては苦情の数が多すぎます。仮に回避する手段があるのが分かっていて、メーカーの利益を阻害するので採用しなかったのであればしかるべき判決を下して欲しいところです。

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