Torrentfreakで、任天堂がSigpatch(署名パッチ)本体だけでなくSigpatchを提供するリンクについてもGitHubに削除要請を行ったことを伝えていました。
著作権侵害を助長したとして任天堂がNintendo Switchエミュレータyuzuの開発チームを提訴してすぐにyuzu開発チームが任天堂と和解し240万ドル(3.6億円)を支払いYuzuとCitra配布中止しました。ごく短期間で任天堂の法廷戦略が結果を出していると言えます。
しかし任天堂は手を緩めませんでした。
以前著作権を侵害しているとしてDMCAテイクダウン(アメリカのデジタル・ミレニアム著作権法に基づいて、著作権侵害に当たるインターネット上のコンテンツを削除すること)に基づきGitHubがNintendo Switch向けの署名パッチ(SigPatch/ Sigpatches)の削除を行いました。署名パッチは非署名NSPや変換XCI(違法コピーもこれに含まれます)をインストール・起動(違法コピー含めたバックアップ起動を可能にするためには署名チェックを回避する必要がある)するために必要です。
署名パッチの直接提供は表向きできなくなりましたが、署名パッチを直接配布するのではなくサーバーに上げておいてダウンロードする形で提供するためのSigpatch-UpdaterをITotalJustice氏がリリースし続けていました。今回はそこに任天堂が手を打ちました。
任天堂の今回の標的は、Sigpatch-Updaterを提供する、フォーク(派生)含めた25のGitHubリポジトリでした。
GitHubに直接署名パッチは置けないため別のサーバーに署名パッチ本体を格納し、GitHubではそのサーバーへのリンクを貼って削除通知の直接被害を回避していましたが、任天堂は「知っててリンク貼るのもDMCA(Digital Millennium Copyright Act):アメリカのデジタル・ミレニアム著作権法のことで、デジタルコンテンツの著作権に関する法律)に違反する」と主張しています。
任天堂がGitHubに対して複数のDMCAテイクダウンリクエストを発行すると、GitHub側は実際に著作権を侵害しているか否かの事実に関係なくコンテンツ削除義務があり、従えばそれ以降責任は負わなくていいとされています。そのため通常は要求があれば無条件でリポジトリが削除されてしまいます。
任天堂は以前もSwitchのキーをダンプするためのツールLockpickにDMCAテイクダウンリクエストを出していますが、今回再びLockpickへのDMCAテイクダウンリクエストを要求しました。LockpickがあればSwitchの暗号鍵を抜き出してyuzuでも海賊版のゲームをプレイすることができてしまいます。yuzu本体だけでなくその周辺にも著作権侵害防止の縄を広げた形です。
13日の時点でsys-patchもDMCAで削除されたようですね
任天堂の動きが本格化してきましたね