新型Switch(Switch Pro)はNVIDIA Tegra Orinのカスタマイズ版SoC搭載か

wccftechで、年内発売が噂される新型Switch(通称Switch Pro)に採用されるSoCはNVIDIA Tegra Orin(T234)のカスタマイズ版T239になる可能性があると伝えていました。

Nintendo-Switch

今回の情報はwccftechが信頼できる人物として挙げるkopite7kimi氏のツイートによるものです。

この写真はウィキペディアに掲載されているT234の写真です。非常にクリアです。
なぜこれから推測するのでしょう?
任天堂はこのカスタマイズ版のT239を使うからです。

kopite7kimi氏がツイートで紹介している写真はNVIDIA Tegra Orinチップのシリコンダイ(電子回路が実際に実装されているシリコン半導体部分)の写真です。「ウィキペディアに掲載されている」というので調べたところ、彼が紹介している写真自体はNVIDIA Orin press – die – annotatedとして、何も書き込みをしていないオリジナルの写真はNVIDIA Orin press – dieとしてウィキペディアに掲載されていました。写真自体はAlexander.stohr氏という人物が今年の1月26日にアップロードしています。

NVIDIA_Orin_press_-_die_-_annotated

kopite7kimi氏が持っている独自の情報は、T234のカスタマイズ版であるT239を任天堂が使うという内容になります。

OrinはNVIDIAが2018年3月に次世代チップとして発表したもので、現時点では詳細スペックは公表されていませんが、現行SwitchのTegra X1よりもパワフルであると考えられています。7nmチップのNVIDIA Ampere アーキテクチャをベースに2048基のCUDAコアのGPUと12基のARM Cortex-A78AEコアのCPUで構成されています。

新型Switchに採用されるT239はこのOrinのカスタマイズ版になるのでOrin自体とはスペックが異なります。ウィキペディアにはチップのサンプル出荷は2021年、製品版は2022年出荷とされていますので、T239は先行して準備が進んでいるOrinのカスタマイズ版と考えれば年末商戦期には発売されていると言われている新型Switchの話と整合性は取れていることになります。

新型Switchの最新の情報ではGPUクロックはドックに接続したTVモードで1GHz、携帯モードで768MHzでDLSSテクノロジーは発売時封印、4Kではなく1440pに最適化という話になっています。そもそもそれが事実かどうかは不明ですが、TVモードと携帯モードで消費電力含め動作環境が変わるのがSwitchの特徴であり、しかも4K出力も使わないのであればコストに反映されるであろう最新スペックのSoCがオーバースペックということになります。そのためのデチューンカスタマイズがT239ということかもしれません。

新型Switchの情報は、まず最新SoCの内部裏情報ありきで、

SoC自体高性能→性能大幅強化→”Pro”モデルと勝手に呼ばれるようになる→最新チップはコストアップ→1万円ほど小売価格上昇→現行モデルとの置き換えは純粋な値上げでユーザー困惑

の図式が自動的に成立しただけで、任天堂自身端からPS5やXbox Series X|Sに性能で対抗する気はさらさらなく、任天堂のNVIDIAへのオファーは「最新の強固なセキュリティ」だけだったのかもしれません。

NVIDIA側の都合で任天堂に提案したものが最新SoCベースのカスタマイズ版で、デチューンすることで価格は抑えるものの、デチューンしても出てくる余力分を任天堂が少し高性能化に利用することにした、と考えると新型Switchを既存モデルと置き換えの理屈が成立します。なにしろハック対策した現行MarikoもMODチップでセキュリティ破られていますから。この予測が正しければ、Switch Liteもしかるべき時期になったらSoCを変更した新型に変わることになります。あくまでも私見に基づく憶測に過ぎませんが。

今日放送されたNintendo Direct | E3 2021でも新型Switchの発表はありませんでした。それどころか高性能化を活かしたタイトルの存在の匂いすらありません。本当にSwitch Proと呼ぶにふさわしい高性能モデルであれば、ユーザーの興味が集中するこのE3のタイミングで発表するのは絶好のチャンスでした。それがなかったとなると、既存モデルとの置き換えが発売1ヶ月ほど前に、名称も変わらずそのままイヤーモデルレベルの置き換えモデルとして発売日だけ告知されるだけの可能性も出てきたと言えます。

そもそも任天堂は、スペックを追い求めるライバルとは距離を置いています。Switch発売時も4Kの構想はあったはずで、それを見送った時点で今更慌ててグラフィック性能でライバルと肩を並べるような方向転換をすること自体、おかしな話だったと考えるべきかもしれませんね。浮き足立ってたのはユーザーが求めているであろう情報を提供するメディア側と我々ユーザー側だけで、任天堂はブレてなかったと考えればすべて辻褄が合います。

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『新型Switch(Switch Pro)はNVIDIA Tegra Orinのカスタマイズ版SoC搭載か』へのコメント

  1. 名前:. 投稿日:2021/06/17(木) 03:14:18 ID:cb5fe9905 返信

    性能アップしてたnew3DSの時も同じく一か月前発表だったし
    年末商戦に合わせるつもりならそもそもE3でやるつもりは無いんじゃないかなぁ
    E3で発表無し=可能性は薄い、にはならないと思う
    存在自体に半信半疑というのは分かるけど