ついにFuseeが(表現上は)Marikoサポート!Atmosphère 0.17.0

GitHubで、SciresM氏がFusée Gelée(NVIDIA Tegraプロセッサの脆弱性を利用し起動時に任意のコードを実行するcoldboot exploit)を利用して起動することができるNintendo SwitchのカスタムファームウェアAtmosphère 0.17.0をリリースしていました。

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FuseeがようやくMarikoをサポートしました(exploitは存在していないのでございません)。そしてErista(初期型Switch)でAtmosphereからシャットダウンした時に消費する電力を大幅に削減しました。

今回の最も大きな話題は、今まで内部的に準備は進んでいたものの正常な動作はできていなかったMariko(対策版Switch)でブートローダからのFusee読み込みがサポートされるようになったことです。非常に大きな進歩ですが、肝心のexploitは存在していないどころか見つかってすらいないので事実上利用できません。ムリです。Switch LiteなどでAtmosphereが無条件サポートされるようになったわけでは決してないことにご注意下さい。

また、SciresM氏も言っていますがAtmosphereが普通に起動できる初期型SwitchでAtmosphereからのシャットダウン処理後のOFW起動時に画面がブラックになってしまう不具合が解消されました。同時にAtmosphereからのシャットダウンだとバッテリーをかなり消費していたようで、それが解消(公式ファームウェアと同程度のようです)されました。

Hekateもアップデート

GitHubで、CTCaer氏がNintendo Switch向け多機能ブートローダーとなるbootloader/package1のリプレイスペイロードhekate – CTCaer mod v5.5.2 & Nyx v0.9.8をリリースしていました。

今回から「EristaとMarikoをサポートした」という記述が増えました。色々と不具合が修正されていますが、どうもMarikoサポートがメインのようです。これもAtmosphereのFuseeと同様に「exploitが仮にもし存在したら」という条件は変わりませんので、Switch LiteなどでHakateが使えるようになったわけでは決してありません。

古いcoreboot ROMのためにSDカードの制限が緩和されましたが、L4T Linux/Lakka/Android P/Qは新しいものがあるのでそれを使って欲しいそうです。
GUI版のNyxでは広く使われているホリパッドのサポートが追加されました。

sigpatch(署名パッチ)もアップデート

GitHubで、arch-box氏がNintendo Switchのカスタムファームウェアで非署名NSPや変換XCIをインストール・起動するために必要な署名パッチpatches(sigpatch) 11.0.1-0.17.0をリリースしていました。

Atmosphere 0.17.0のfuseeローダーとhekateローダーのパッチが含まれていますので、Atmosphere 0.17.0を使用する場合にはsigpatchもアップデートが必要です。また、最近多いAtmosphereのサイレントアップデート(バージョン表記は変更ないものの配布されているビルドだけが差し替わっていること)があった場合にはこのパッチの対応版への差し替えも発生する可能性があります。sigpatchまで一緒にサイレントアップデートするとは書かれていないので、Atmosphereのサイレントアップデートが原因でsigpatchが働かないこともあり得ますよという告知程度に考えておいた方が良いでしょう。

また、arch-box氏とは別にeXhumer氏もSigpatches for AMS 0.17.0 / FW 11.0.1をリリースしています。