TorrentFreakで、任天堂がNintendo Switchで海賊版ゲームのプレイを可能にしてしまうTeam Xecuter製品を販売するUberchipsと損害賠償金200万ドルで和解に応じたことを伝えていました。(Jojaさん情報ありがとね)
ニンテンドーオブアメリカは5月にTeam Xecuterの、認可していないOSと違法コピーゲームをインストールするためのツールを販売しているとして複数の販売サイトに対して販売一件ごとに2500ドル(約27万円)の損害賠償と販売サイトの停止を求めて訴訟を起こしていました。
1回目の訴訟は2件あり、一つは複数の販売サイトを、もう一つは被告を特定したUberchipsというサイトの運営者を相手取っての訴訟でした。
訴えられた複数の販売店サイトのうち期限までに回答を出す被告はなく、そのため裁判に出廷しなかったことからワシントン州シアトルの連邦裁判所に対し被告が出廷しない場合に原告に有利になるように下される判決を下すことと、販売の恒久的差し止め命令を出すよう求めていました。
名指しされた被告となったUberChipsは、提訴を受けすぐにSX CoreとSX Liteの予約をしていた顧客に対してすべての予約をキャンセルし返金すると告知していました。そして6月にUberChips運営者のオハイオに住むTom Dilts Jr氏が弁護士を通じて任天堂の申し立てを法廷で否認しました。現在UberChipsサイトは接続できなくなっています。
その後しばらく法廷では動きがありませんでしたが、任天堂とUberChipsは解決に向けて話し合いを行い、今週UberChips側が任天堂に200万ドル(日本円で2億1130万弱)を支払うことで和解しました。裁判所が認めれば(認めないという選択肢はないでしょう)和解が成立します。
和解の条件には損害賠償だけではなく恒久的販売差止命令も含まれています。Tom Dilts Jr氏はTeam-Xecuterの製品並びに同等の製品の販売も将来にわたって禁じられました。それだけに留まらずTom Dilts Jr氏はUberchipsのFacebookなどのソーシャルメディアアカウントを維持できなくなり、Uberchips.comドメインも任天堂へ引き渡しを求められました。和解はしていますが、裁判による判決ではないだけで事実上Uberchips側の全面敗訴です。ただし訴訟費用だけは当事者負担となっています。
任天堂が起こした訴訟のうち1つはこれで解決しました。残りの一件である期限までに回答しなかった複数の販売店相手の訴訟はまだ継続中ですが、状況から見て任天堂に圧倒的優位な判決が下される可能性が濃厚です。
今回の裁判ではTeam Xecuterは直接的な被告ではありませんが、間接的にTeam Xecuterの製品の販売は任天堂に損害を与えるものであると司法の場で認定され恒久的に販売を差し止められたことになります。事実上今後の販売継続はアメリカでは禁じられました。
Team Xecuterは「事実ではないにもかかわらず我々をソフトウェアの海賊行為を行う集団と見せかけるための法的差し止め命令を強制するような検閲行為は決して喜ばしいことではない」とコメントしていますが、あくまでも一般メディアを通じてコメントを出しているだけで司法の場での発言ではありません。つまり司法において反論する場を与えられることなく、事実上任天堂に損害を与える製品を販売していると認定されたことになります。
現在まだSX OS、SX Core、SX Liteを販売しているサイトは世界中には存在していますが、それらのTeam Xecuter製品はアメリカの司法で販売が禁止されたものであることが認定されました。販売店側は任天堂に訴えられたら損害賠償金2億円は免れないというリスクを負いながら今後も販売を継続するかどうかの判断を迫られます。
Team Xecuterの二人がドミニカで捕まったようです。
https://www.theverge.com/platform/amp/2020/10/2/21499297/team-xecuter-selling-nintendo-hacks-arrested-charged-fraud