逃げ惑う相手へ火力を絞り攻撃範囲広範囲化。任天堂がTeam Xecuter製品販売サイトの恒久的差し止め命令求め提訴

TorrentFreakで、任天堂がTeam Xecuterの製品を扱う販売サイトの恒久的差し止め命令を求めて連邦裁判所に提訴したことを伝えていました。

legal action

任天堂はTeam Xecuterの製品を扱う販売店に損害賠償と販売サイトの停止を求めてアメリカで提訴していました。訴えられた販売店側はサイトを閉鎖したりドメインを変えて運営を再開したりといった対応をしたようですが、そもそも期限までに回答を出す被告はなく、そのため裁判に出廷する被告も皆無だったようです。

その後どうなったのかの情報がしばらくありませんでしたが、先週になって任天堂はワシントン州シアトルの連邦裁判所に対し、被告が出廷しない場合に原告に有利になるように下される判決を下すことと、販売の恒久的差し止め命令を出すよう求めました。(訴状はここ)

今回任天堂は、販売店に対して損害賠償を求めていません。Team Xecuterの製品を販売することで多大な損害を受けていることは認識していますが、被告が訴訟に対して回答すらせず出廷もしないという状況では被告が特定できていないことになり、そもそも損害賠償を支払う可能性が低いと判断したためというのが損害賠償を求めなかった理由のようです。

損害賠償の代わりに、今後永久に任天堂に損害を与える製品の販売活動ができないよう著作権侵害行為の停止とドメインの引き渡しを含む恒久的な販売の差し止めを求めています。ただし、差し止め命令が下っても無視される可能性があるため、販売サイトに関係するドメインのレジストリ(ドメインの発行や管理をする団体・企業)やレジストラ(ドメインの販売業者)にも差し止め命令が適用されるべきだとしています。

実際前回の訴訟の後、いくつかの販売サイトはいったんは閉鎖したもののドメインを変えて改めて運営を再開することで難を逃れていたため、そういった逃避行為にも網をかけるため移転先の後継サイトのみならずSkypeやDiscord、FacebookといったSNS、電子商取引サイトも訴訟では差し止め命令対象に含まれています。火力を絞って攻撃範囲の広範囲化を図ったと言えるでしょう。

SNSや電子商取引サイトが対象に含まれることで、裁判所が任天堂の主張を認めればこれらのプラットフォームを使って販売を行おうとする販売業者に対しても、必要に応じて任天堂が対抗措置、つまり直接アカウントの停止要求や著作権を侵害するデバイスの押収もできるようになります。

任天堂の訴訟はSX OSやSX Pro、SX Core、SX Liteを開発し販売しているTeam Xecuterを事実上のターゲットにしていますが、今回もTeam Xecuter自体を直接訴えてはいません。あくまでも被告となっている販売店が扱っている違法コピーゲーム起動を可能にする製品の例としてTeam Xecuterの製品を名指しで明示しているに留まっています。販売ルートを制限することによる事実上のTeam Xecuter締め出しを狙う形です。

TorrentFreakに対してTeam Xecuterは「事実ではないにもかかわらず我々をソフトウェアの海賊行為を行う集団と見せかけるための法的差し止め命令を強制するような検閲行為は決して喜ばしいことではない」とコメントしてます。

Team Xecuterは被告ではないため、被告が出廷しなければ任天堂が証人として呼ばない限り法廷で発言する権利すらありません。逆に言うと真っ向から対決姿勢を示す相手に任天堂は直接矛先を向けず、逃げるだけで法廷には絶対立たないことが前回の提訴の結果からも分かっている相手だけを選んで法廷闘争に持ち込んでいることになります。

被告が出廷しないことを理由に原告に優位な司法判断を狙っているしたたかな任天堂の司法戦略が垣間見えます。

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