wololo.netで、SciresM氏がMarikoを搭載した新型SwitchではAtmosphèreは動かないだろうとの見通しを示したことを伝えていました。
バッテリー持続時間が向上した新型Switchと携帯モード専用のSwitch LiteはSoCの脆弱性を設計段階から対策してfusée geléeが完全に無効化されている新型ハードウェア、コードネームMarikoが搭載されています。
今までのゲーム機ハックのパターンから考えると、SwitchのカスタムファームウェアであるAtmosphèreは、Switch自体が新型であっても基本システムは同じなのでexploitさえ発見されれば再び対策されるまでまた使えるようになるだろうと考える方は多いのではないでしょうか。ところが今回はそう簡単にはいかないようです。
SciresM氏は先日Twitchでライブストリーミング放送を行ったようで、その中で次のように語りました。
It will surprise me if we manage to hack Mariko. Our hacking Mariko is not something that I’d expect. I expect that we will glitch it and get the keys but I am not expecting for users to have the ability to run Atmosphere on Mariko. If we can, that would be awesome, but I don’t think we will.”
Marikoをハックできるようになったらビックリだね。Marikoハックはいままでの延長では無理。何とかしてハックしてキーを入手することはできるかも知れないけれど、ユーザーがMarikoでAtmosphèreを起動できるようになるとは思えない。もし仮にできたとしたら、それはもの凄いことだね。でも、無理だと思う。
SciresM氏はどのレベルでAtmosphèreを起動するのは困難だと思ったのかが分かりませんが、物理的に不可能ということではなく手持ちの技術では数々のハードルを越えるのは不可能という意味でしょう。
初期型SwitchのNvidia Tegraにはもともと起動しなくなった時に備えてリカバリーモード(RCMモード)が用意されており、更にUSB経由で非署名のコード(ペイロード)を実行できたことがハックのポイントでした。これは電源が入ってシステムが起動に入る前から処理に入ることからコールドブートハックと呼ばれています。
それ以外にもDeja Vu exploitという、システムがスリープするときにコードを実行できてしまう脆弱性を利用したウォームブートハック(Caffeine)があります。こちらはコールドブートハック対策されたSwitchで有効です。
どちらもAtmosphèreを起動させることができましたが、そのどちらも使えないMarikoではすべてゼロスタートだからSciresM氏は「無理だと思う」と表現したのではないでしょうか。
今までのゲーム機は殆どが(Xbox Oneはそもそも動きがあまりないですけど)、専用設計だったPS3が初めてハックされるまでにかなり時間がかかり、一度対策された後もまた時間がかかったものの再びハックされたように、基本的にはハックされ続けてきました。
しかもハッカー同士の情報共有が容易に行えるようになった近年では、ゲーム機をハックするのは物理的にも理論的にも不可能と最初から決まっているいうことはまずあり得ない、と私は感じています。
ただ、 マダー(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチンと言われかねない立場のSciresM氏は安易な見通しを語ると自分で首を絞めかねないので「無理だと思う」と言っているのではないでしょうか。
打てる手がない現状、Switchシーンに関しては当面の話題は未対策ハードを手に入れる方法論が話題の中心になるかも知れません。
https://youtu.be/3E2PZ5-IVDw
による新旧Switchの性能比較動画が公開
シュリンクよるバッテリー持続時間延長・低発熱化に加えて、重量級タイトルでフレームレートが安定しやすくなっているようです