Torrentfreakで、米連邦裁判所が「悪名高きハッカー」として扱われているTeam XecuterのメンバーであるGary Bowser(GaryOPA)被告に懲役40ヶ月(3年4ヶ月)の実刑判決を言い渡したことを伝えていました。
Team Xecuterのメンバー3名(Gary Bowser被告(逮捕・起訴)、Max Louarn被告(逮捕・起訴)およびYuanning Chen被告(起訴のみ))がNintendo SwitchのカスタムファームウェアSX OSの販売やMODチップSX Core/Liteの販売で著作権法違反に問われた事件。
Gary Bowser(GaryOPA)被告は、刑事裁判で起訴事実を認め、損害賠償金450万ドルを自主的に支払うことになり、かつ民事裁判では1,000万ドルの損害賠償金を任天堂に支払うことで任天堂と和解することに同意しています。
しかし検察側は先週犯罪行為には必ず結果が伴うのだというメッセージを送る必要がある」として懲役5年の実刑判決を求刑しました。
Gary Bowser被告側は容疑は認めながらも自分は首謀者ではないとして5年より短い19ヶ月(1年5ヶ月)の懲役への減刑を求めていました。この19ヶ月のうち、逮捕された2020年10月から既に16ヶ月は服役していることになるため、19ヶ月の実刑判決の場合、あと少し服役すれば晴れて出所できるという微妙な数字です。
しかし、実際出た判決は懲役5年(60ヶ月)と19ヶ月の間を取りながらも1ヶ月分検察側の求刑に寄った懲役40ヶ月でした。計算上は検察側の主張を全面的に認めたわけではないもののGary Bowser被告の主張も完全に一蹴はせずある程度考慮したものの検察側の主張を重視した判決、と読み取ることもできます。
Gary Bowser被告には40ヶ月の懲役刑に加え、任天堂への支払いに同意した450万ドルの賠償金が発生します。
判決の中でRobert S. Lasnik裁判官はGary Bowser被告の犯した行為について「実際に被害者も存在し、社会に害を与える重大な犯罪」と述べています。
Max Louarn被告とYuanning Chen被告の情報についてはTorrentfreakでも「新しい情報がない」としているため、裁判はまだ進んでいないようです。Gary Bowser被告に実刑判決が言い渡されたことからMax Louarn被告とYuanning Chen被告にも実刑判決が下される可能性が濃厚です。焦点はGary Bowser被告の懲役40ヶ月よりも長いのか短いのか、になりますが、ゲームシーンでの海賊行為には決して軽微とは言えない重い懲役刑が科されるのだという事実は、同様の海賊行為への抑止力として十分機能するのではないでしょうか。