Switch2のコストアップ回避に利用する特許か 任天堂が高画質化の特許を取得

VideoGamesChronicleで、任天堂がSwitch2発表前に新しい特許を公開していたことを伝えていました。

Switch2

この特許は2023年7月13日に申請され、2024年12月31日に公開されました。特許の内容は機械学習の仕組みによってある解像度の画像をより高解像度に変換するというものです。低性能のハードウェアでもより高画質でハイフレームレートを実現できるNVIDIAのDLSSと同様の仕組みです。

NVIDIA DLSSは「ディープラーニング スーパー サンプリング」の頭文字を取ったもので、”映像の忠実度をまったく新しいレベルに引き上げる画期的な AIレンダリングテクノロジ”と説明されているNVIDIAの技術です。ゲームプレイ時の画質の向上やフレームレートの改善などを実現します。Switch2はNVIDIAのチップを使っていますが、特許としては独自のテクノロジーを使うという形になります。

これがSwitch2のためと明言はできませんが、時期的にSwitch2で使う特許で間違いないでしょう。Switch2ではDLSSと同様のアップスケール技術により高画質化を実現している可能性が濃厚になったと言えます。

一方で、ジャーナリストのLaura Kate Dale氏によるとこのアップスケーリング技術はゲームデータを圧縮することにも使うと言及されているようです。

Perhaps the most interesting piece of this, after a lengthy read, is that one example use case given is explicitly to reduce overall game sizes, to fit a modern game onto “smaller capacity physical media”, e.g. Switch carts, which get exponentially more expensive for larger cart capacities.

— Laura Kate Dale – LauraKBuzz (@laurakbuzz.bsky.social) 2025年1月1日 22:41

長文を読んで分かったのですが、一番興味深い部分は使用例の一つとして最新のゲームを容量の小さなSwitchのゲームカードに収めるためにゲームのサイズを圧縮することを明示しているところです。Switchのゲームカードは容量が大きいほど急激に価格が跳ね上がります。

The example given is that a game witth native 4K textures might need a 60GB download, but a 1080 native version might only need 20GB (which would allow it to fit on a 32GB Switch Cart, the current max size Nintendo produces for Switch 1).

The idea being to do a 4X upscale on the device in realtime.

— Laura Kate Dale – LauraKBuzz (@laurakbuzz.bsky.social) 2025年1月1日 22:43

例として挙げられているのが、ネイティブ4Kのゲームでは60GBのダウンロードが必要になりますが1080版なら20GBで済むということです(任天堂が現行Switch向けに製造している最大サイズである32GBのゲームカードに収めることができます)。

このアイデアでリアルタイムにデバイス上で4倍のアップスケールを行います。

なるほど。

4Kにも対応すると言われてるSwitch2ですが、任天堂はSwitch2でパワフルかつ高画質ハイスペックなゲーム機を目指すというより、その技術を転用し容量削減、つまりコストダウンに利用していることになります。

Switch2は現行モデルのゲームカードをそのまま挿入できるようですが、カードには半導体メモリを使用していますので容量が大きくなれば当然価格も上がります。4K対応ゲームで容量が大きくなればなるほど価格が上がることにもつながります。また、ダウンロード版を普及させるためにもゲームのファイルサイズ大容量化は障壁にしかなりません。
ユーザーに対してはそこへの負担増を求めないのがSwitch2ということです。

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