Mig Switchクローン UnlockSwitchは本物か

Mig Switchよりも安い価格で登場したMig SwitchクローンFlashcartのUnlockSwitch。まだ開発中だというのにサンプルをレビュアー向けに送りつけたりしている行動から、サンプルは中身がMig SwitchでUnlockSwitch自体詐欺ではないかという意見がネット上で見受けられるようになっています。結局UnlockSwitchとは何物なのかが明確になっていないところが詐欺疑惑を生んでいます。UnlockSwitchについて完全に個人的見解ではありますが考察してみました。

UnlockSwitch

ゲーム機のFlashcartの過去の歴史から、必ず出るのは間違いなかったNintendo SwitchのFlashcart Mig Switchのクローン。その最初のクローンがUnlockSwitchでした。

Flashcartは違法な存在である海賊版ゲームが起動できてしまうことからそれを求めるユーザーが一定数いるため、製造・販売する側からすると「ハイリスク・ハイリターン」な製品です。製品の開発コストと生産コストが必ずしも回収できるとは限らないことからハイリスクなのです。

クローンは一言で言うと「無許可コピー商品」。開発費がオリジナル製品よりも大幅に少なくて済むためリスクが減りリターン部分の比率が高くなり、うまくすればボロ儲けできます。

一般的な製品であればコピー商品は著作権の侵害で法的措置による販売差し止めや損害賠償という手を打てますが、そもそもFlashcart自体著作権侵害のための製品と判断されてしまうため法的措置が取れないことから事実上コピー商品出し放題です。

UnlockSwitchとそのオリジナル製品Mig Switchには違いがあります。単なるコピーではないようです。

・ゲームの切り替えにFlashcart抜き差しではなくオンオフスイッチを付ける
・販売価格はMig Switchの65ドルに対してUnlockSwitchは39ドル
・ゲームをダンプする仕組みも用意する形を取るのはMig Switchのみ

UnlockSwitchはレビュー用サンプルが出荷されています。

UnlockSwitchの開発は最終段階のようですが、「Mig Switchと同じチップセット(ICE40/ESP32S)、基板デザイン、筐体は使わない」と主張しています。

そして「UnlockSwitchは目下開発中で予約も受けていないし発売もしていない。メールでやり取りもしない。XとTelegramのみ」としてまだ開発中(製品版は存在しない)であるとしています。

大きな特徴として、ゲーム切り替えにON/OFFスイッチを実装予定です。

となると、開発中で未完成だというのにレビューサンプルをユーザーに送りつけていることになります。当然「UnlockSwitchのサンプルはMig Switchそのものではないか」との疑惑が浮かび上がります。単なる宣伝行為のためにUnlockSwitchサンプルとしてMig Switchそのものをリパッケージして出している可能性が否定できないためです。

PS4/PS5シーンで活躍する開発者のBwE氏もMig Switch流用(パクリ)を疑っており、「他人のものを盗んで自分の製品のように加工するのは詐欺じゃないのか?」という質問をUnlockSwitchチームに投げかけました。その質問に対し、「加工?」とだけ答えたので、BwE氏は「ではその通りなんですね」というやりとりをしています。

そもそも、機能的にMig Switchとちょっと違う方向を目指すコピー製品なのに、その違う方向部分ができていない状態のサンプルを送りつけてレビューさせても意味がないと思いませんか?

UnlockSwitchの公式サイトはhttps://unlockswitch.com/ですが、今はUnlockSwitchのロゴとXへのリンクがあるのみです。
UnlockSwitch_Logo

コンテンツは来週公開すると言ってますが、以前も同じようなことを言っており、これについてはリアルにやるやる詐欺状態が続いています。

公式販売店は存在しないようですが、unlockswitchstore.comという、まるで公式ストアのような販売サイトができています。これについてUnlockSwitchチームは偽物だとして注意喚起を呼びかけています。

不思議なことに、その偽物と言われていたUnlockSwitchの販売店https://unlockswitchstore.com/は「UnlockSwitchこそ詐欺」として、なぜか突然Mig Switchの公式販売店リンクページを紹介するようになっています。UnlockSwitchで金儲けしようとしてMig Switchチームに買収でもされたのでしょうか。「Mig Switchはクラックするのは難しい。すぐにはクラックされない」とまで言い切ってます。Mig Switchチームが裏で動いている匂いは感じます。

Unlock Switch is Verified a Scam

そんな疑惑が渦巻く中、UnlockSwitchチームはUnlockSwitchの「最終仕様」を公表しました。

・公式のケース(シェルのことだと思われる)は透明。3Dファイルは共有する
・PCBは新設計
・最終版には2つの新たなICを搭載
・ケース(シェルのことだと思われる)にはオンオフスイッチがある
・USB-C接続のプログラマが付属(標準装備のため無料)
・UnlockSwitch Programmer Softwareでファイル変換(詳細は後日発表)
・ハードウェア側にコードは含んでいない(詳細は後日発表)
・追加機能は最終製品の写真やビデオで公表予定(日程未定)
・microSDカードスロットあり。UnlockSwitchは当初ビルトインEMMCかUFSメモリーを積んだプレミアムバージョンを用意するはずだったが、最終的にはmicroSDに落ち着いた
・発売前に製造過程のビデオの共有、在庫数の提示を行う予定。
・生産が開始され、在庫が確保できたら販売を開始する
・アメリカと日本では直接販売しない
・代理店を通して販売予定だが、まだその段階に至っていない
・最終的な価格は下方修正される可能性が高い
・無料サンプル送付依頼は受けない。発売前におけるレビュアーはこちらで選別する

結局UnlockSwitchは何物?

憶測の域を出ませんが、ハックシーンを長く見てきた私の主観では、UnlockSwitch自体本物だと予想しています。

本物だという特徴的な証拠は、XでUnlockSwitch宛てのコメントに、UnlockSwitchの中の人はきちんと順番に回答していることが挙げられます。全部に回答はしていませんが、順番に回答して途中で数が多くてやめている印象です。ただのフェイクで予約詐欺するつもりでここまで手間暇かける輩は過去にはいませんでした。

Mig Switchは昨年末にその存在が公表され、UnlockSwitchは4月に発表されています。配布されたMig Switchを解析してコピーしたにしてはごく短時間でできているのは少し不可解ではあります。

もともとMig Switch自体、Team Xecuterの残党が関わっていると私は考えています。UnlockSwitchについてもTeam Xecuterの残党の可能性は否定できません。仲間割れしたか、情報リークを伴ったか、そもそも話題性喚起のためのシナリオに沿ってUnlockSwitchを出した自作自演かのいずれかを疑っています。

UnlockSwitchはサイト構築による情報発信が遅いという、今までのTeam Xecuterのやり方と全く違うアプローチを取っています。Mig Switchチームとは別の、Team Xecuterの別の残党が関わっているかもしれません。

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