ツイッターで、psxdev氏がPS5のHomebrew開発に向けてPS5のオープンソースツールチェーンを準備していることを公表していました。
And finally prospero is landing on llvm mainstream. I asked on july to sie-oos about it and thanks to them and all people involved on @llvmorg open source prospero toolchain is on the way #opensource #prospero #llvm https://t.co/QTif6dq9u7
— bigboss (@psxdev) April 20, 2022
そしてついにLLVMのメインストリームにprosperoがやってきました。7月にsie-oos(人かグループの名前?ちょっと分かりません)にお願いし、彼らの協力とLLVMの皆さんの協力でオープンソースprosperoツールチェーン開発が進行中です。
prosperoはPS5のコードネーム(ちなみにPS4はOrbisでした)です。オープンソースprosperoツールチェーンは「オープンソースのPS5ツールチェーン」の意味になります。
LLVMというのは”Low Level Virtual Machine”の頭文字を取ったもので、様々なプログラミング言語に対し、そのコードを様々なコンピュータやOSに対応させることができる共通の基盤を提供するソフトウェアのことで、個別の機種やOSに対応しなくてもLLVMによって様々な環境に対応させることができます。今回のオープンソースprosperoツールチェーンは、そのLLVMにPS5を載せてしまおうというものです。
PS5でのネイティブHomebrew開発にはツールチェーン(一般的にはエディタやコンパイラ、ライブラリ、デバッガなどのプログラミングツール集)やSDK(ソフトウェア開発キット)が必要です。
PS5は仮にJailbreakできたとしても、Homebrew開発の環境がなければゲームソフトがないゲーム機と同じで何の役にも立ちません。Jailbreakに先立ち、開発者向けの開発環境の構築が必要です。
歴代ソニーのゲーム機の場合、オープンソースのHomebrew(自作アプリケーション)開発環境が有志により用意されてきました。インターネット経由なら極秘資料でも頻繁に流出してしまう世の中ですので、今までも流出した公式のツールを使うことも不可能ではありませんでしたが、ゲーム機のハッキングシーンでは「違法なものにはNOを突きつける」という暗黙のルールのようなものがあり、開発環境もオープンソースで用意して「グレーなところすらどこにもない」と明確にアピールできるハッキングシーンとして成長してきました。
PS5はまだJailbreakできていませんが、そのときに向けてPS5シーンでは着実に進歩すべく動いていることになります。