ソニーが、2021年2月3日に発表した2020年度 第3四半期連結業績概要の中でPlayStation 5は11月の発売以来、12月末までに累計で450万台を販売したと発表していました。年度内に760万台以上販売という目標には順調に進捗しているものの「お客様からの強い需要には充分に応えられていない状況」としています。
ただファミ通調べのITmedia NEWSが報じた日本でのPlayStation販売台数は
11月に20万1435台
12月に5万3715台
で、12月末までの合計が25万5150台です。
ということは、全世界で販売された2020年販売台数450万台のうち日本への割り当ては僅か5.7%しかなかったことになります。しかも、発売月(11月12日発売)に20万台販売したにも関わらず、翌月のクリスマス商戦期に初月の1/4の販売台数しかありません。
私は運良く11月に購入できましたが、今でも抽選販売は続いています。
ついに #PS5 入手!エディオンで抽選に当たったんだけれど、ノーマル22台、デジタルエディション8台に対して当選者25人しかおらず、店員に聞いたら「デジタルエディションは申し込み者が少なかったので全員当選。余った分は次回抽選に回す」多分8台のうち5台余った。デジタルエディション狙い目だぞ! pic.twitter.com/Fd8CtfFGXt
— mamosuke (@mamo_suke) November 27, 2020
2020年内はPlayStation 5は入手困難だろうことは当初から想像できましたが、2月に入ってもまだ店頭に並ぶことなく抽選販売が行われているのは想定外でした。しかし、その割には販売台数が少ないのです。
ファミ通が毎週発表しているハードウェア販売台数のうち、PlayStation 5分を抜き出してみました。
1週目
PS5/10万3901台(累計10万3901台)
PS5 デジタル・エディション/14184台(累計14184台)
2週目
PS5/32335台(累計13万6236台)
PS5 デジタル・エディション/10556台(累計24740台)
3週目
PS5/28202台(累計16万4438台)
PS5 デジタル・エディション/12257台(累計36997台)
4週目
PS5/7514台(累計17万1952台)
PS5 デジタル・エディション/4379台(累計41376台)
5週目
PS5/9025台(累計18万977台)
PS5 デジタル・エディション/2031台(累計43407台)
6週目
PS5/15122台(累計19万6099台)
PS5 デジタル・エディション/2456台(累計45863台)
7週目
PS5/18129台(累計21万4228台)
PS5 デジタル・エディション/5691台(累計51554台)
ここまでのノーマルモデルとデジタルエディションの合計は26万5782台ですが、7週目は集計期間が2020年12月21日~2021年1月3日のため、1月1日から3日までの販売台数が10632台あったことになります。
ついでにその後の販売台数はこうなっています。
8週目
PS5/9921台(累計22万4149台)
PS5 デジタル・エディション/1243台(累計52797台)
9週目
PS5/6496台(累計23万645台)
PS5 デジタル・エディション/832台(累計53629台)
10週目
PS5/15312台(累計24万5957台)
PS5 デジタル・エディション/2036台(累計55665台)
数字だけ見ると「売れていない」という気がしませんが、同時期のNintendo Switchと比べるとその差が圧倒的であることが分かります。同じくファミ通の数字から引っ張ってきてグラフにしてみました。
縦軸をSwitchの販売台数に合わせると、PlayStation 5は初週こそ好調といえそうなものの、その後はもうグラフに表示されていないのではないかというくらいの見るに耐えない状況です。
Switchは確かに強力なライバルではありますが、発売直後で話題沸騰のPlayStation 5とはとても思えないのではないでしょうか。にもかかわらず、ソニーの見解として「順調」ということは、いかに日本への供給が少ないのかを如実に物語っていると言わざるを得ません。
いまだにPlayStation 5が手に入らない人もいるようですのでソニーのビジネスプランが日本の需要を満たしているとはとても言えません。5.7%しか割り当てがないこと自体が日本市場を重要視していない証拠と言えますが、それを「順調」と表現するいうことは、ソニーにとってゲーム機ビジネスの中での日本市場の比重は残念ながらその程度だということです。