Nintendo Switch 現時点で新型の発売予定なし 古川社長が明言

任天堂社長の古川氏が、2月1日に開催した第3四半期決算発表 / 決算説明会の質疑応答の中でNintendo Switchの新しいモデルを発表する予定はないと明言していたことが明らかになりました。

Switch sell-through

1年前に2020年内にはNintendo Switchの新モデルを発売する予定はないことを任天堂社長の古川氏が明言していましたが、あれから1年。コードネームAulaという新型Switchの存在がファームウェアの中に記述されていることが分かり、年内にも新型Switchが発売されるのではないかと市場は期待していましたが、どうも今年も新型の発売はなさそうです。

2月1日に開催された2020年度 第81期(2021年3月期)の第3四半期決算発表 / 決算説明会の中で、記者からの「新モデルの計画は当面無いとの報道を見たが、Nintendo Switchファミリーのハード戦略と併せて教えてほしい。」という質問に対して古川氏は次のように答えました。

Nintendo Switchの新モデルについてですが、2月12日発売の 『スーパーマリオ3Dワールド+フューリーワールド』に併せて、(マリオをモチーフにした特別なデザインのNintendo Switch本体とキャリングケースをセットにした)「Nintendo Switchマリオレッド×ブルーセット」を発売します。また、3月には「Nintendo Switchモンスターハンターライズスペシャルエディション」という特別デザインのハードも発売する予定です。このように新たなハードの発売計画があることや、Nintendo Switchが発売4年目で最高の販売台数を記録したばかりの状況において、新しいモデルを発表する予定はありません

デザインを変えたモデルは存在するものの、いわゆるSwitch Proモデルのようなマイナーチェンジした「新型Switch」というのは現時点で販売する計画が存在しないことになります。

ここからは言葉の深読みになりますが、新型Switchの発売計画がないというのは「発売4年目で最高の販売台数を記録したばかりの状況」だからであって、販売台数を維持するためのカンフル剤としての新型モデルは現時点では必要がないとの経営判断をしたのだと読み取れます。

Switchはライフサイクルを長くする計画であると言われていますが、そもそも任天堂自身発売4年目で最高販売台数を記録するとは思っていなかったはずで、昨年、ないしは今年あたりには新モデルを投入する計画を当初持っていたことは、ファームウェアの内部にAulaとして準備していたことからも明らかです。想定としては、PlayStation 5とXbox Series X/S発売への対応策でしょう。

また、昨年は「年内に発売することはない」としていたにも関わらず今年は具体的な時期についての表現がありません。本来なら今年2021年内には新型モデルを発売する計画だったもののあまりに販売が好調のため先送りを決めたが、販売状況によってはいつでも投入できるよう準備だけはしているのだと予想できます。

Switchの好調な理由の一つとして、古川社長も言及していますがSwitchの「2台目需要」が挙げられます。普通据え置きゲーム機の場合2台目需要というのはあまり考えられませんが、携帯モードを持っているSwitchは1人1台という考え方で2台目を購入する需要が存在します。これはPlayStation 5やXbox Series X/SにはないSwitchの大きな特徴です。2台目需要を満たしていった場合、大ブレイクしたNintendo DSの1億5402万台というのがSwitcっ販売台数の一つの指標となるでしょう。

現在Switchは8000万台近く販売されていますが、うち2割は複数台購入分であることを今回古川氏が言及しています。現状2割ということは、2台目需要はこれからまだ伸びる余地が十分にあると言えます。そのために必要なのは、新型モデルではなく現行モデルの値下げ、その中でも特に効果的なのはSwitch Liteの販売価格引き下げではないでしょうか。

新型Switchの発売がないことに落胆した方も多いと思いますが、私は逆にこれで次に来るのは現行Switch値下げとなる可能性が大きくなったと捉えています。

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