Ars Technicaで、任天堂がYouTubeに対して著作権侵害の申し立てを行い、『ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ』のハッキングビデオの動画が削除されたことを伝えていました。
『ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ』のROMの書き換えや自作コードの実行に成功したghidraninja氏を任天堂は野放しにはしませんでした。
削除された動画は実際のハックの様子を解説付き動画で公開したとお伝えした記事で紹介した動画など、ghidraninja氏(YouTubeではstacksmashingで登録)がYoutubeで公開していた動画です。しかし以下のDoomの移植動画やファームウェアダンプの動画は消されておらず、まだ視聴可能です。
ゲーム&ウオッチハック自体がターゲットならこんな中途半端な状態は考えにくいところですが、どうも消された動画と消されていない動画の違いは、任天堂が著作権を持つゲームが動画に出てくるか来ないかのようです。
ただ、『ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ』のレビュー動画の類は相当数存在します。任天堂が著作権を持つゲームをターゲットにして著作権侵害申し立てをしたのであればそういったレビュー動画がターゲットになってもおかしくありませんが、さすがにそうはなっていません。そういった事実から考えられるのは、ハッキング動画をターゲットにする理由付けとして、任天堂が認めていない使い方をすることでプレイできている、任天堂が著作権を持っているゲームの動画の存在をもって違反の申し立てをしている可能性が挙げられます。
ゲームのレビュー動画はある意味ユーザーが自主的に無償で投稿してくれる任天堂の広告ですので、そこに関しては最近著作権侵害を主張しないどころか、逆に動画投稿を推奨するようになってきています。そんな中でもghidraninja氏の動画は削除されました。
一方で、数多くあるファミコンミニやスーファミミニの同じような動画はまだ視聴することができます。ハッキングをターゲットにして、著作権侵害を理由にプリインストールされていないゲームの動画内での存在を持って申し立てをするのであればそちらも削除されて然るべきですが、そうはなっていません。となると、違いはハッキングのハードルの高さから手を出している絶対数が少ない『ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ』だからこそ、著作権侵害申し立ての標的にされたのかもしれません。
『ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ』ハック自体2020 rC3(remote CCC)でghidraninja氏が顔出しして発表していますから、彼には今更しっぽを巻いて逃げる理由がありません。ghidraninja氏は現在、問題になりそうな部分を排除して編集し直すことで動画を復活させようと試みている模様です。