Ars Technicaで、PlayStation 5には隠しウェブブラウザが存在しており、ツイッターのログインバックドアを使うことで任意のサイトにアクセスできる方法があると伝えていました。([名無し]さん(bin+cue).rarさん情報ありがとね)
PlayStation 5ではウェブブラウザにWebkitを採用していることが明らかになっていましたが、実際にはウェブブラウザ専用アプリが存在しない(マニュアル内のリンクでウェブアクセスはできる仕組みはあるが、任意のURLへのアクセスはできない)ことからWebkit exploitを利用したエントリーポイントが使えないと思われていました。
Ars Technicaはこれを隠しウェブブラウザと表現し、任意のURLへアクセスする方法を発見したと報じています。
そもそもPlayStation 5でアクセスできるマニュアルはソニーのサーバーhttp://manuals.playstation.net/へアクセスして表示しているものですが、PCのブラウザでアクセスすると「パーミッションがない」とアクセス拒否されます。
index.htmlはhttps://manuals.playstation.net/document/gb/ps5/index.htmlに用意されていますので本来はここへ飛ぶのだと思いますが、そこにPCでアクセスすると普通のサポートページにリダイレクトされてしまいます。PlayStation 5からのアクセスしか受け付けないように設定されているようです。
Ars Technicaが報じている任意のURLへアクセスする方法は以下です。
PlayStation 5の[ユーザーとアカウント]メニューで[他のサービスと連携する]でツイッターアカウントを選ぶとツイッターのアクセス許可ページが表示されます。通常はここで「連携アプリを認証」を押すところですが、実は画面の左上にツイッターのアイコン(https://twitter.com/homeへのリンク)があり、そこをクリックすることでツイッターのトップページに遷移します。
もうおわかりだと思いますが、ツイッターを表示させたところで任意のURLを入力できるわけではありませんが、ツイートに記載されたリンクはクリックできます。これができれば、極論すると自分でリンクをツイートしてそこへアクセスすることもできますから事実上任意のURLへアクセスできることと同じ状態になります。
これをツイッターのログインバックドアと表現していいのかは微妙なところですが(ソニーからすればバックドアでしょうね)、この方法を使えないようにするのはツイッター連携をやめるとか、ツイッターに依頼してPlayStation 5からのアクセスに制限を設けるなどユーザーの利便性を犠牲にする方法しかありません。おそらくソニーがこの方法を対策することはしないのではないでしょうか。
実際ブラウザでYouTubeなどへアクセスすると問題なく動作するようですが、動画を全画面表示しようとすると上手く動作しなかったり、Spotifyでは音楽が再生できなかったりするようです。
Javascriptで作られたゲームも動作はするものの、キーボードのみで操作するように作られていない限りきちんと動作する状態にはならないようです。またWebGLやFlashなどのWebベースのライブラリを必要とするゲームは動作しません。PlayStation 5の隠しウェブブラウザは動作に必要なコンポーネントがきちんと揃っていないという印象です。マニュアル表示だけをターゲットにしているのであれば納得の仕様ではあります。
このPlayStation 5のウェブブラウザについてはSIEのSVPプラットフォーム・プランニング&マネジメント担当の西野秀明氏がAV Watchのインタビューの中で以下のように語っています。
西野:現状、PS5にはウェブブラウザを搭載するつもりはありません。色々なネットワーク機能を使うためのコンポーネントとしてはもちろん使っていますが、アプリとしてウェブブラウザがゲーム機に必要なのか疑問もあり、見極めさせてください。チャイルドスイッチ対策なども必要になるため、ウェブブラウザの搭載にはそれなりの工数もかかりますので。
今後ウェブブラウザを実装する可能性はゼロではないですが、工数がかかるとしていますからコスト的なことを考えたら難しいのではないでしょうか。
この状態であれば、ブラウザの仕様に沿った形でWebkit exploitを用意すればエントリーポイントとして機能させることはできそうです。