今度は初代Xboxのソースコード流出

TheVergeで、マイクロソフトの初代Xboxのソースコードが流出したことを伝えていました。一緒にWindows NT 3.5のソースコードも流出しています。

Original Xbox Dashboard

流出した初代XboxのソースコードにはWindows 2000のカスタム版であるXbox OSのカーネルも含まれています。Xbox OSには複数のビルドやXbox開発キット、テスト用エミュレータ、内部資料が含まれていました。

TheVergeでは流出したソースコードは本物で、流出時期は5月初旬だとしています。マイクロソフトは「報告は把握しており、現在詳細を調査中」とコメントしています。

そもそも流出したカーネルやソースコードはXboxシーンで以前開発者の間でプライベートレベルで出回っていたようなので、現状のXboxシーンでのエミュレータ開発状況を見る限りHomebrew開発やエミュレータの開発にとって有益なものではなさそうです。

というのも、既存のXboxエミュレータにはCXBX、XQEMU、CXBX Reloadedがありますが、それらエミュレータは初代XboxのOSを完全にエミュレートできていません。マイクロソフトは初代Xboxをx86アーキテクチャで構築しましたが、カーネルはDirectX 8をサポートしたWindows 2000を縮小したカスタマイズ版をベースに開発されています。

CXBX、XQEMU、CXBX ReloadedなどのXboxエミュレータはオリジナルのカーネルを再現すべく長年開発が進められてきましたが、現時点でも初代Xbox向けの900タイトルのうちわずか40タイトルしかサポートできていません。しかも一応動くレベルです。エミュレータ開発者間では今回流出したデータがとっくに出回っていた上でのこの状況ですのでXboxエミュレータの開発はかなり難しいのでしょう。

Windows PCで動くXboxをエミュレータと聞くと、オールマイクロソフトなので非常にハードルが低いような印象を受けますが、そもそもXboxは解析が困難なようで一筋縄では行きませんでした。
マイクロソフトは初代XboxおよびXbox 360のゲームタイトルをXbox Oneでエミュレートして起動できる仕組みを構築していますが、それはXbox OneでのことでありWindows PCではありません。そこにエミュレータ開発のヒントも存在していません。

今回のXbox流出ではあまり現状から大きく変わることはほぼないとTheVergeでは論じています。個人的に気になるのは、最近やたら流出が多いことです。先日もWiiのソースコード等の流出があったばかりです。
新型コロナウイルスの影響で自宅にこもっている悪徳ハッカーたちが暇だからあれこれ手を出したとか、もともと無防備の人たちがリモートワークで自宅のPCをインターネットに繋ぐ機会が増えた影響でコロナウイルスには感染しないかわりにコンピュータウイルスに感染する確率が高くなり悪徳ハッカーの餌食になって芋づる式に影響が出たという可能性も否定できません。

[5月26日追記]
ContactよりNTさんから23日に情報をいただいていたことに今日気がつきました。
流出したファイルは472GBもあったそうです。流出元の4chanのリンクなども提供いただきましたが、ここで公表するのは避けておきます。

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