欧州市場に攻勢か Xbox One Project Scorpioのスペック発表

Eurogamerで、Xbox Oneの高性能版Project Scorpioのスペックを公表していました。

なぜEurogamerが?と疑問に感じると思いますが、Eurogamer(実際にはDigital Foundry: Eurogamerの中のオンラインテクノロジーレビューメディア)がマイクロソフトに独占プレビューを依頼されて先週の段階でマイクロソフト本社を訪れていたようです。今週水曜日の段階でDigital FoundryがXbox Scorpioの詳細を日本時間の6日22時)に発表すると公表したことをお伝えしましたが、個人的には「なぜDigital Foundryがそれを発表するんだ?」と実ははてなマークだらけでした。これで謎が解けました。

通常ゲーム機の新製品関連の発表はメディアを集めてのブリーフィングやE3などのイベントなどで行われるのが通例でしたが、まさかまさかの特定メディアとの協業で来るとは想定外でした。

Eurogamerは英語サイトもありますがターゲットは欧州がメインです。マイクロソフトとしてはProject Scorpioで欧州でのXboxのシェアを高めたいという意図があると読み取れます。北米市場は6月にE3がありますからそこで、ということでしょう。

発表されたProject Scorpioの内容については、下記の表にほとんどが集約されています。

Project Scorpio Xbox One PS4 Pro
CPU Eight custom x86 cores clocked at 2.3GHz Eight custom Jaguar cores clocked at 1.75GHz Eight Jaguar cores clocked at 2.1GHz
GPU 40 customised compute units at 1172MHz 12 GCN compute units at 853MHz (Xbox One S: 914MHz) 36 improved GCN compute units at 911MHz
Memory 12GB GDDR5 8GB DDR3/32MB ESRAM 8GB GDDR5
Memory Bandwidth 326GB/s DDR3: 68GB/s, ESRAM at max 204GB/s (Xbox One S: 219GB/s) 218GB/s
Hard Drive 1TB 2.5-inch 500GB/1TB/2TB 2.5-inch 1TB 2.5-inch
Optical Drive 4K UHD Blu-ray Blu-ray (Xbox One S: 4K UHD) Blu-ray

Project Scorpioの主なアピールポイントは4Kですが、それ以外にもメモリが12GB(うち4GBはシステムが確保しますので実際に使えるのは8GB)となるなど全体的に現行Xbox Oneよりスペックアップされているのが特徴です。またProject ScorpioのHDDは標準が1TBとなり帯域幅もXbox Oneの倍となっているため、大容量になりがちなゲームデータも高速に読み込みできるようになっています。

ゲーム機はスペックが全てではありませんが、スペックを重視するのであればProject Scorpioは購入選択肢として十分価値があると言えそうです。

ただ既に評価が決まっており、しかもブランド志向でマジョリティを好む日本人の市場でスペックアップしただけの同じ機種で今からシェアをとるならそれだけでは難しいと言わざるを得ません。それでもゲーム機分野でのマイクロソフトのブランド力と信頼性を地道に上げて行くためにはProject Scorpioをより活用すべきでしょう。

宣伝もしない、販売する努力もしないでは売れるはずないのは米国車もXbox Oneも同じです。せめて日本市場でも欧州や北米と同時に発売すべきです。

Project Scorpioの発売は年内(年末商戦までには)と発表されていますが、Eurogamerでは少なくとも半年先としています。早ければ10月中にも発売されるかもしれません。

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