Team Cobraが、PS3の光学ドライブエミュレータ Cobra ODEの公式FAQを掲載していました。いままであいまいだったCobra ODEの動作について、詳しく書かれています。
Cobra ODEはPS3のFat、Slim、Super Slim対応で売時の初期ファームウェアを問わずHomebrew起動も可能という製品で、PS3にインストールする必要がありますが、FatとSlim初期モデルであれば取り付けにハンダ付けも不要です。
今回公開されたFAQは基本的にはPSX-SceneやPS3Haxのフォーラムに寄せられた質問等に答えた形で構成されています。Cobra ODEのビデオの真偽を問うような(テレビにつながっていたのは本当にデモのPS3?など)質問部分は一部割愛させていただきました。これを読めばCobra ODEがどのようなものなのかわかると思います。翻訳というよりも意訳に近いので、その点だけご了承ください。
Q – Cobra ODEマネージャーがダサいんだけど。
A – Cobra ODEマネージャーはシンプルに使いやすさを前面に出して設計したものです。通信プロトコルに互換性があれば他のアプリを使うことも可能です。リスト表示もゲーム選択も同様です。
リリース時には他の管理マネージャーで使用するための公開ライブラリをリリースします。
Q – Cobra ODEマネージャーはプロトタイプですか?最終版はどう違うのですか?
A – 最終版は見た目がちょっと異なりますが、全体的なルックアンドフィールはほとんど同じです。
Q – Cobra ODEでHomebrewは起動しますか?
A – CFWだけに使っているsyscallを使っていないものに関してはサポートしています。
Q – Cinaviaは無効化できますか?
A – システムファイルのモディファイが必要なので不可能です。Cobra ODEではできません。
Q – 4kモデルはCobra ODEインストール後、元の状態に戻すことは可能ですか?
A – 4kモデルの場合、4カ所の抵抗のハンダを取ったりQSB(Quick Solder Board)というポン付けボードにハンダ付けする必要があります。QSBと抵抗の再ハンダ付けができれば元に戻すことは可能ですが、取り付けや取り外しにはそれなりの技量が必要です。
PCB上のCobra ODEでエミュレーションモードとパススルーモードの切り替えができます。パススルーモードではハードウェアが完全にバイパスされてオリジナルと同じ状態になります。
Q – (ビデオでは)ブルーのライトが点いているように見えますが、あれはなんですか?
A – 光っているのはブルーLEDです。USBストレージメディアに有効なISOファイルが検出されると点灯します。USBストレージを取り外すとブルーLEDは消灯します。Cobra ODEが繋がれているとPS3本体の電源が落ちていてもブルーLEDは点灯します。
Q – 私のCECHLモデルがBMD-021ドライブかどうかはそうすれば分かりますか?
A – ドライブのシールドを取り外して、ドライブの基板にあるモデルナンバーを見てください。BMD-021またはBMD-031と書いてあります。詳しい情報はPS33DevWikiで確認してください。
Q – 内臓HDDのゲームをプレイするにはどうすればいいですか?Cobra ODEは外付けのNTFS HDDはサポートしていますか?
A – PS3の内臓HDDからゲームは起動できません。Cobra ODEは内臓HDDにアクセスできないからです。外付けのUSB HDDやUSBフラッシュメモリードライブがCobra ODEに接続できます。FAT32、NTFSどちらのフォーマットも対応しています。
Q – ゲームを選んだら毎回PS3を再起動するのが面倒なんだけど?
A – もろもろテストを行ってきましたが、再起動は思ったほど面倒ではありませんでした。ゲーム終了でもシステム終了でもかかる時間は変わりません。PS3が起動にかかる時間はゲームを終了してXMBに戻るまでに時間とほとんど同じです。
ゲーム選択をそうしなければならない理由は2つあります。1つは再起動後であればエラーなくゲームの切り替えができることが挙げられます。もう一つは、PS3は挿入されたディスクの構造をキャッシュしていますが、Cobra ODEの仮想ディスクの場合は再起動するまでディスクがイジェクトされたと認識されないのでキャッシュが残ったままになるからです。
ディスクのイジェクトもエミュレートすることは不可能ではありませんが、それを行うと、特に2k5/3k/4kモデルでのインストールが非常に複雑になってしまいます。新しいモデルでも簡単なインストールで済むように、古いモデルではハンダ付け不要にするための選択です。
Cobra ODEの動作がPS3のどのモデルでも一貫性を持たせるために、ゲームの選択ごとに再起動という方法を選択しました。一度使ってもらえればそれが理にかなっていると感じてくれるはずです。
PS3を再起動するのはCobra ODEマネージャーでゲームを選択するような場合だけです。イジェクトボタンを押す(Fat/Slimモデル)/XMBからディスクを取り出す(Fat/2k&2k5&3k:Slimモデル)/ディスクカバーを開く(4k:SuperSlimモデル)/obra ODEに接続されたドライブを取り外すといったマネージャーに戻るような操作をしない限り、つまり再起動だけした状態では選択されたゲームはそのままの状態を保持します。
Q – モディファイファームウェアやCFWはCobra ODEを使って3k/4kモデル向けに開発されるようなことはあり得ますか?
A – 残念ながらあり得ません。2k5/3k/4kモデルは新たに採用されたセキュリティチェックがあるのでモディファイできません。Cobra ODEはオリジナルファームウェア(公式ファームウェアまたはCFWを搭載した初期ファーム3.55以前のモデル含む)にのみ対応しています。
Q – 発売日は決まっていますか?
A – 既に生産は開始されています。現在工場で組み立ててテストを行っています。その後販売店へと出荷します。発売日はそのプロセスの進行次第です。いつなのかを明言するのは困難ですが、7月初旬には販売できるのではないかと考えています。
Q – Team CobraはCobra ODEを発表してから今日までPS3のセキュリティ突破のための調査をしていたのでしょうか?発売が遅れたのはなぜ?
A – PS3のセキュリティについては何年も前から解析できています。一部のモデルのドライブハードウェアのバグがディレイを引き起こしていた問題の調査や開発に時間がかかりました。それが解決できなければ発売できません。
逆にその時間を利用してCobra ODEのインストールのし易さや使い易さと言った面を改良しました。結果的には発売を遅らせることになりましたが、より素晴らしい製品をお届けできることになりました。
Q – Cobra ODE自体をハックされてクローンが発売されたりしませんか?
A – Cobra ODEは非常にセキュアな製品です。ですからハックすることは不可能です。また、ソフトウェアだけでは同様のこともできません。
Q – Cobra ODEの登場で最終的にはソフトウェアだけで同じようなことができるようになりますか?
A – それは不可能だと考えています。現時点で最新ファームウェアのセキュリティの突破はCobra ODEのようなハードウェアがないとできません。
Q – Team Cobraは新たなexploitや3.56+の秘密鍵を発見できたりしましたか?
A – 残念ながらexploitは発見できていません。Homebrew起動に関しては2年前のfail0verflow チームの研究の成果ですが、Cobra ODEが発売されれば最新ファームウェアでHomebrew起動がかつてのようにできるようになります。
Q – Cobra ODEの代わりにUSBドングルでHomebrewを起動できませんか?
A – それは不可能です。Cobra USB 2のような新製品が出れば別ですが。
Q – PS3のOFW 4.41でどうやってHomebrewアプリを起動したのですか?
A – 最新ファームウェアでHomebrewを起動するには’discbind’フラグがポイントです。4.41で起動するアプリケーションのコンパイル方法や既存のバイナリ―pkgの移植方法についてはマニュアルを配布予定です。
Q – Homebrewを起動させるためにそのSHA1をホワイトリストのものと一致させているのですか?他のHomebrewアプリも同じように起動するのですか?
A – そういったことはしていません。今後配布予定のユーザーマニュアルに沿ってコンパイル等を行えば、Cobra ODE経由で公式ファームウェアのPS3でもpeek/poke syscallは実装されていませんがHomebrew起動が可能になります。
Q – Cobra ODEのHomebrewモードでLinuxを起動できませんか?
A – 残念ながらLinuxを起動するためにはCFWにしか実装されていないpeek/poke syscallが必要ですのでLinux起動は不可能です。
Q – PS3の秘密鍵を持ってるという人がいるみたいですが?
A – それは素晴らしいですね。しかしその人が”Kaz Hirai”(平井一夫:ソニー社長)とか”Jack Tretton”(SECA社長)という名前でないかぎり、本来ならありえません。
Q – ゲーム選択でPS3本体の電源を落とさなければならないのはなぜですか?XMBで直接ディスクアイコンを選べないのですか?
A – 先ほど回答しています。
Q – 3k/4kモデルをダウングレードできますか?
A – できません。最近の2k5/3k/4kモデルをダウングレードすることは不可能です。HomebrewアプリからはNORメモリに書き込みアクセスすることは可能(テストを行ったわけではありません)でしょう。しかし書き込みが可能だったとしても工場出荷時よりも古いファームウェアにするダウングレードはできません。2k5/3k/4kモデルはソフトウェア的にハック可能な3.55ファームウェアよりも新しいバージョンだからです。
Q – ソニーにBANされる可能性については?
A – BANされるされないについては一切保証できません。しかし、Cobra ODEを使っているかどうかがわかるかといえば、そうは思いません。ただし、将来のことまでは予想できませんので、ソニーが何らかの対応策を見つけるかどうかまでは分かりません。
しかしCobra ODEはドライブをエミュレートしていますので、PS3はドライブがあることは分かるもののそれがCobra ODEかどうかまでは判別できないはずなので、BANされる可能性は殆どゼロだと考えています。COBRA Managerは発売済みの正規PS3タイトルのゲームIDを使っていますのでソニーのサーバーでは検出できません。
しかし、他のHomearewアプリケーションや他の管理マネージャーを使用した場合は検出される恐れがあります。
Q – Cobra ODEを使うためにPS3本体のファームウェアダウングレードは必要ですか?
A – 公式ファームウェアであれCFWであれアップデートもダウングレードも必要ありません。古いモデルに関してはプラグアンドプレイと言ってもいいレベルのインストールのみです。PS3本体を分解し、ドライブケーブルを基板から外してCobra ODEへ接続、そしてCobra ODEをドライブに接続したら元の状態に戻すだけという5分程度の作業です。2k5/3k/4kモデルの場合はQSBを半田付けすることが必要ですが、あとはQSBとCobra ODEをケーブルで繋ぐだけになります。ファームウェアのダウングレードやモディファイは必要ありません。
Q – Cobra ODEは将来PS3の内蔵HDDを利用できるようになりますか?
A – 先程も述べましたが、Cobra ODEはPS3の内蔵HDDへアクセスできません。バックアップ起動はFAT32/NTFSフォーマットのUSB外付けHDDかフラッシュメモリードライブからのみになります。