GBATempで、dojafoja氏がNintendo Wii Uのタイトルキーを生成することができるPythonスクリプトKii U Generatorをリリースしていました。
Wii・Wii U・3DSのタイトルキージェネレータ流出でキー生成のアルゴリズムが明らかになり、いずれタイトルキーを生成できるようなツールが出てくることは不可避だったと言えます。
タイトルキーはタイトルごとに用意されているもので、すべてのゲームやアプリケーションタイトルを動作させるために必要です。タイトルキーはチケットという暗号化されたファイルの中にAESで暗号化された状態で存在していますので、本来なら暗号化を解除しないと入手できません。
ところが流出によりタイトルキーを生成するアルゴリズムが分かってしまい、暗号化を解除せずともタイトルキーが入手できるようになってしまいました。こうなると誰かがそのためのツールを作ろうとなるのは自然な流れです。
dojafoja氏はPythonでそのタイトルキー生成アルゴリズムを実際に実装したツールとなるKii U Generatorを作成しました。
Kii U GeneratorのPythonスクリプトはGitHubで公開されています。
タイトルキー生成にはWii UのCommon Key(共通鍵)とゲームのタイトルIDが必要です。Common Key(共通鍵)は過去には流出騒ぎもあったものの、今はWii U NAND Dumperを使ってダンプしたOTP.binの特定のアドレスに格納されていることが分かっているので入手するのは難しくありません。ただ、あくまでも共通鍵なので本体やゲームごとの固有値ではありません。従って実際にはググれば簡単に見つかります。
Common Key(共通鍵)をckey.jsonというファイルにテキストを入力して保存しておき、PythonをインストールしたPCでgui.py(GUI版)またはコマンドラインで
keygen.py [タイトルID] [パスワード]
を実行します。
パスワード入力はオプションで、ゲームタイトルに関してはテストした限りではデフォルトで”mypass”で問題なかった模様です。ただしシステムタイトルに関してのパスワードは現時点では不明です。
ここまで書いておいてアレですが、このタイトルキーを入手できるようになったことによるエンドユーザーのメリット増は実は殆どありません。開発者向けか、インターネット上にあるタイトルキーのデータベースへの依存度が低くなったという程度です。
GBATempの書き込みによると、チケットなどがなくてもタイトルの中身が解析できるようになる、ダンプされていないタイトルの解析に役に立つというのがメリットになります。あるいはチケットが間違っていた場合にも有効です。
タイトルキーがあったからといってWii Uがハックできるようになるとか、無改造Wii Uで違法コピーゲームが起動できるようになるとか、署名バッチなしで違法コピーゲームが起動できるようになるとか、そういうものではありません。また、V10lator氏から直接コメントも頂いておりますが、彼のNUSspliには既にタイトルキー生成アルゴリズムが統合されていますので、Kii U Generatorが特段エポックメイキングということもありません。