リークに続くリークが正確な情報ばかりで、結果的にほぼリーク情報そのものだったNintendo Switchの後継機となるNintendo Switch 2が2月16日に正式発表されました。まだ発売日や価格、詳細な機能などは未発表ですが、任天堂のゲーム機としては初めて製品名に数字が付けられました。
Nintendo Switch 2の「2」がそれです。今回はその「2」の意味に迫ってみます。
確かにSwitch2と呼んではきたが
Nintendo Switchの次世代機は随分前から通称として「Switch2」と呼ばれてきました。これはソニーのPlayStationの次世代機は次の数字、つまりPS5の次世代機はPS6ですし、ゲーム専用機が存在するならばその次はPS7です。
Switchの次世代機を「Switch2」とメディアが揃って勝手に呼んでいたのは、ソニーのPlayStationの次世代機情報記事での呼び方に倣っただけです。ソニーのPlayStationの場合は通称PlayStation 6(PS6)でも最終的に製品名もPlayStation 6(PS6)になるはずです。
しかしSwitch2は違います。私もそうでしたが、実際製品名が「Nintendo Switch 2」に本当になるとは誰も思わず使っていたはずです。その理由は単純で、「任天堂はこれまでソニーのような数字による製品名を付けたことがない」からです。
最初にSiwtch 2が製品名になるという情報が出てきたのはサイドに2という番号のロゴがあったのを見たというSwitch2組立現場で働く従業員情報が出てきた9月です。その時点で私は「Switchの後継機がSwitch2というのは100%ないと断言はできませんが、まあないでしょう。」と書きました。その時点では、リーク情報にはガセが含まれているものだ、愉快犯が「通称通りのSwitch2だwww」と面白がって流しているのだろうと思っていました。
その後いくつも正式名称Switch2という情報が出てきたことから途中で「事実なのだ」と認識を改め、記事としては「まあないでしょう」のニュアンスでは書かないようにしました。
任天堂らしくない
どうもSwitch2が最終的な製品名らしいとなっても、心のどこかで「2には何か意味があるのだろう。3DSの立体視3Dの「3」のような。」と思っていました。実際Switch2の2はナンバリングではなく2画面の2という情報を「あもありなん」と見ていました。
仮に数字ではなく、こんな名称だったら任天堂らしいと感じます。
Super Nintendo Switch
Nintendo Switch U
Nintendo Switch Advance
しかし、任天堂らしいと感じるのは過去に実績があるからという理由だけで、それが任天堂らしさを意味するのかと言えばそうではありません。
「2」は単なる二世代目の2なのか
任天堂もついにソニーと同じように世代を表す数字を付け出したのでしょうか。
おそらく答えはイエスです。
2015年頃から任天堂はIP(知的財産)をビジネス戦略の柱にしています。かつての任天堂は花札メーカーからゲーム機メーカーへと転身しゲーム機ビジネスを主力として来ましたが、今の任天堂は「任天堂IPに触れる人口の拡大」を経営戦略に掲げ、ゲーム機ビジネスを軸にUSJのスーパー・ニンテンドー・ワールドや映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」などでマリオをはじめとするキャラクターを活用したビジネスに手を広げて任天堂の認知度を高めゲーム機やソフトの売り上げに繋げています。
そのビジネス戦略の中で重要なのは、ブランド力です。ニンテンドーは任天堂株式会社の略称ではなく全てに共通するブランド名となっています。
ニンテンドーというブランドは以前から存在しています。実はそれがゲーム機本体です。公式サイトに掲載されている過去に販売されたゲーム機で、製品名にニンテンドーの名称があるゲーム機には以下のものがあります。
ニンテンドーゲームキューブ
ニンテンドー64
ニンテンドーDS
ニンテンドー3DS
ニンテンドーSwitch
ニンテンドーがゲーム機本体の共通ブランドであることが分かります。しかし今のニンテンドーは先述の通りゲーム機本体だけのブランド名ではありません。言い換えると、ゲーム機としてのブランドは別に必要です。
任天堂以外のライバル社はゲーム機としてのブランドを持っています。ソニーのPlayStationとマイクロソフトのXboxがそのブランドに当たります。
初代PlayStationは1994年から、初代Xboxは2001年から発売されています。PlayStationには30年の、Xboxには25年の歴史があります。今やPlayStationと聞けば誰もがソニーのゲーム機だと思いますし、Xboxと聞けば誰もがマイクロソフトのゲーム機だと思います。
ではニンテンドーは?社名と同じなのでゲーム機だとは思わないのではないでしょうか。
ではニンテンドースイッチと聞いたら?誰もがゲーム機だと思いますね。そうです。それがライバルに対抗するために今の任天堂に必要なゲーム機のブランドなのです。任天堂はそれに気がついたということでしょう。
Nintendo SwitchをソニーのPlayStationやマイクロソフトのXboxに対抗するゲーム機のブランドとして明確に確立するために任天堂はNintendo Switchの次世代機をNintendo Switch 2と名付けたのではないでしょうか。
ですからPlayStationでのPlayStation 2に当たるのがNintendo Switch 2です。2は純粋な2世代目を表すナンバリングです。
任天堂から直接聞いた話ではありませんので憶測に過ぎないと言えばその通りですが、Nintendo Switch 2という名称はシンプルでわかりやすく非常に良いネーミングだと思います。ただし裏読みするとSwitchには携帯ゲーム機と据え置きゲーム機とを切り替えて(スイッチして)使えるという意味が込められているので今後ずっとこのコンセプトを踏襲していくと任天堂が決意表明したことになります。つまり安価な任天堂の携帯専用機はもう二度と開発されません。