GBATempで、RPCS3チームがPS3のオープンソースエミュレータRPCS3のmacOS版をリリースしたことを伝えていました。
今までRPCS3を「Windows/Linux向けのPS3オープンソースエミュレータ」とお伝えしてきましたが、RPCS3チームがオフィシャルビルドとしてmacOS版を公開です。公式ビルドですのでRPCS3チームの改良が適宜投入されていきます。
https://twitter.com/rpcs3/status/1514302544750780417
待望のRPCS3 macOS版がリリースされダウンロードできるようになりました!https://rpcs3.net/download完成に向けて開発に尽力して下さった全ての開発者のみなさまと、過去に開発に携わって下さった元開発者のみなさまに大いに感謝いたします!
https://rpcs3.net/downloadからダウンロードできます。現時点での最新バージョンはRPCS3 0.0.22-13542 です。
RPCS3のmacOS版は2016年時点で利用することは可能でしたが、一部のゲームしかプレイできなかった上にAppleがOpenGLのサポートを拒絶したことから暗礁に乗り上げていました。WindowsやLinux版と同様の動作とまではいきませんし、macOS版は動作が遅いことも、macOS特有の問題(Nvidia GPUがサポートできていない、PlayStation純正コントローラーのみしかサポートできていない、macOS 12(Monterey)でBluetoothコントローラーの接続を解除するとフリーズする(USB接続推奨)など)が残っていることも分かっています。
また既存のゲーム互換性リストがすべてmacOS版に適用できることが確認できている状態ではありませんが、Windows版でプレイできるゲームはmacOS版でも十分プレイできるようです。
macOS版RPCS3のパフォーマンスはWindows/Linux版と比べるとかなり劣ります。これはグラフィックスAPIであるVulkanのアプリケーションをmacOSのMetal上で実行するためにソフトウェアライブラリMoltenVKを利用していることなどが原因です。
また高速処理ができるはずのM1 Macの場合ネイティブではなくIntelプロセッサ搭載Mac用に開発されたアプリケーションを実行できるように変換するRosetta 2を利用している関係で処理が遅くなっています。今後Intelプロセッサはなくなっていくことは間違いないのでRPCS3のネイティブM1サポートが待たれます。M1ネイティブ対応することでM1 MacでのRPCS3の高速動作が期待できます。
RPCS3チームはmacOS版の問題点を把握しているので、公式にmacOS版を配布した以上、今後動作の高速化に向けて開発を進められていくことは確実です。