もう潮時だ。悪いこと言わないからやめておけ。Team Xecuter 世界各地で司法による締め出し

TorrentFreakで、任天堂がTeam Xecuterが運営するウェブサイト等に対する新たな差止命令を勝ち取ったことを伝えていました。

team-xecuter-already-dead

「世界で最も悪名高いビデオゲームの海賊集団」Team Xecuterのメンバーが逮捕されたのはつい数ヶ月前のことですが、任天堂は完膚なきまでにTeam Xecuterを叩きのめすべく、手を緩めていなかったことが明らかになりました。

任天堂は現在、イギリスでTeam Xecuterが所有するドメインサイトの差し止め訴訟を行い勝訴しており、同様の司法戦略をスペインで行いました。今回スペインの裁判所はインターネットプロバイダーに対してTeam Xecutorが所有する3つのドメイン(team-xecuter.com、sx.xecuter.com、team-xecuter.rocks)と任天堂の海賊版ゲームを配布している2つのサイト(switch-xci.comとnxbrew.com)へのアクセスの遮断を求める差し止め命令を下しました。

任天堂は「自社の利益とディベロッパーパートナーの利益を守るために訴訟は必要だ」と述べています。そのために「ビデオゲームの海賊集団」Team Xecuterだけでなく、海賊版(違法コピー)ゲームを配布するサイトもターゲットにしていたことになります。

司法が今回のような任天堂の主張を退ける判決を下す可能性はそもそも低く、提訴した数だけ任天堂の勝訴が確定する可能性はかなり高いと予想できますが、問題は判決の効力がその国でしか有効にならないことです。

私は法律家ではないので詳しくはありませんが、調べたところ当事者の合意した裁判所による判決を批准国において執行可能とする条約が締結されている場合(国境を越えた子供の連れ去りを解決するためのハーグ条約など)には司法効力が国外に及ぶ場合もあるようです。ただし任天堂が起こしている民事訴訟はアメリカやイギリス、スペインで展開していることから察するに判決をグローバルレベルで有効にできる状況にはないのでしょう。

違法コピー配布サイトなどは世界中どこからでもアクセスできるため、一国のプロバイダーにアクセス制限を課したところで効果は限定的ですが、Team Xecuterにとっては徐々に追い詰められてきていることになり、事実上のダメージインパクトは相当大きいはずです。

ゲーム機の改造というのは、Homebrew起動や汎用OS(主にLinux)起動を行うことを目的としたパターンと並行して、バックアップ起動を行うことを目的とするパターンも存在します。しかし後者については海賊版ゲーム(違法コピー)を配布するウェブサイトが存在することからバックアップ起動(自分で購入したゲームを複製して、かつプレイできるようにする行為)と何ら違いが見い出せなくなっていることは事実です。ゲーム機改造=違法コピーゲーム起動では決してないのですが、世間のイメージは実際そうなのだろうとは思います。

本来なら海賊版ゲーム(違法コピー)を配布する違法サイトだけを取り締まって欲しいところですが、Homebrew起動のみならず海賊版ゲーム(違法コピー)起動も可能にしてしまうTeam Xecutor製品も加えた、道具と手段の両面から法的対策を実行している任天堂の司法戦略はなかなかしたたかです。

私は以前からTeam Xecutorに批判的な立場ですが、それは有志が無償で提供しているものをTeam Xecutorが流用して有償化し利益を得る行為を行っていることに対してであって、Team Xecutorの技術力と発信力は評価に値すると思っています。ただ、裏でTeam Xecutorは海賊版ゲーム(違法コピー)供給も行っており、言い方を変えれば著作権を無視(犯罪です)して「タダゲー」できる需要を無理矢理生み出しては利益を得るビジネスモデルを長く展開していたのです。したがって逮捕されたこと自体、自業自得です。

今SX OS等Team Xecutor製品を使っているユーザーのみなさん、状況は悪化の一途です。そろそろ潮時です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする