ソニーが2020年2月4日(火)に開催した2019年度 第3四半期 業績説明会の中で、今年の年末商戦機に発売するPlayStation 5について大きく損益が悪化した過去の世代交代機とは異なるスムーズな移行を目指していることを明らかにしました。
私が業績説明会に出たわけではないので、インターネット中継の再放送を聞いてまとめてみました。
ソニーはイメージセンサーやら映画やら音楽やらと多数の主軸があるためゲーム部門はソニーの一部にしか過ぎませんが、50分弱行われていた業績説明会の中からPS5について言及している部分で、現在未発表の情報のポイントとなりそうな発言をまとめました。しゃべっているのは専務CFOの十時 裕樹氏だと思います。
PS plus会員数増加などに伴いネットワーク収入も増加傾向にあります。このような大きなコミュニティとネットワーク収入により、開発費用やマーケティングコストで大きく損益が悪化した過去の世代交代機とは異なるスムーズな移行となるよう引き続き取り組んで参ります。
過去のモデルチェンジでは開発費をハードの売り上げだけでペイできるような価格設定をしなかったため(それをすると販売価格が高額化してしまう)、売れば売るほど赤字になる逆ザヤ状態でした。
ところが今はPS Plusのサブスクリプションによる安定した収益が増加傾向と好調で、すくなくともサブスクリプション収益を計算に入れるとPS5の価格をユーザーの手の届きやすい価格に設定しても極度な逆ザヤ状態にはなりにくい状況へ持ち込めていることになります。PS4からPS5へモデルチェンジしてもPS Plusはそのまま活用できるところがミソになっています。
Q&Aセッションでは以下の発言がありました。
Q. 次世代に向かってこの(PS Plusの)会員数がどうなっていくのか期待感などがあれば教えていただきたいと思います。
A.次世代についてはまだなかなか申しあげることが少ないので、またまとまった段階でですね、来期どっかの段階でご案内申し上げたいと思っています。
話はPS Plus会員数がPS5モデルチェンジ後にどうなるのかの見通しの話ですが、そもそもPS5について「申しあげることが少ない」現状のために言及を避けたことが分かります。
Q.もしPS5の価格が発表されていない中でガイダンスの時期、4月の終わりを迎えた場合はどうなるのかということについて、もしお考えがあれば教えていただければと思います。
A.なかなかまだ申し上げるのが難しい時期ではあるんですがけども、今の時点ではですね、これまで通り業績見通しを通常のタイミングで公表させていただくことを考えています。
4月末にガイダンスというものが行われるらしいですが、そのときにPS5の価格が発表されていない可能性をソニー自身も否定しなかったという発言だと考えます。まだ決まっていないからというだけではないか、との見方もできますが、価格発表日を現時点で決めているわけではないことは間違いないでしょう。
PS Plusのサブスクリプションによる収益が、意外と価格設定を柔軟にする鍵となりそうです。ソニーが目指す「過去の世代交代機とは異なるスムーズな移行」の鍵は間違いなくサブスクリプション収益です。