SCEJAが、PlayStation Vita/PlayStation TV システムソフトウェア バージョン3.52をリリースしていました。(shizuru123さん情報ありがとね)
前バージョンの3.51からバージョンの数字は少ししか上がっていませんのでメジャーアップデートではないのは数字から分かります。公式発表の変更点は以下の通りです。
バージョン3.52で更新される主な機能
システムソフトウェアにおいて、動作の安定性を改善しました。
に書かれている情報から、ビルドされたのは2015年6月19日でした。
今回のアップデートの肝はRejuvenate潰しでした。しかもPSM自体を強制的に使えないようにするというもので、今回は一般ユーザーではなく純粋にPSMへのコンテンツ供給を正規の手段で行っていた開発者に影響を与える形となっています。Rejuvenateを開発したYifan Lu氏はツイッターで次のように述べています。
Do NOT update to 3.52 if you ever want to run Rejuvenate. Even if you can't download/use PSM DevAssistant, hold off on 3.52 for now!
— Yifan (@yifanlu) June 24, 2015
Rejuvenateを今後も動かしたいなら3.52には絶対にアップデートしないでください。PSM DevAssistantがダウンロードできなかったり使えなくなったとしても、今は3.52にするのは避けてください。
.@heleius Basically they revoked PSM. Sorry to any PSM dev who wanted to fix bugs in their games before the deadline.
— Yifan (@yifanlu) June 24, 2015
ソニーはPSM自体を無効化してきました。ギリギリまでPSMゲームのバグ修正をしたいと思っているPSM開発者の皆さんにお詫び申し上げます。
ソニーはメール一本でPSMコンテンツ開発者に使用不可にする旨の通達をしてきました。私のところにもソニーから下記のメールが届いていました。
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『PlayStation(R)Mobile Publisher License』をダウンロードされた皆様へ
本メールは“Sony Entertainment Network”へアカウント登録された方で、
“PlayStation Store”で『PlayStation(R)Mobile Publisher License』
をダウンロードされたお客様へ配信しております。PlayStation Mobile向けコンテンツ制作者の皆様へ
PSM Development Assistant /PSM Development Assistant for Unity上に不具合が確認されました。
PSM Development Assistant /PSM Development Assistant for Unityをお使いになっている皆様は
速やかに使用を停止いただき、当該アプリケーションを削除いただきますようお願いいたします。なお、6月24日(水)に配信を予定しているPlayStation(R)Vita (PS Vita)システムソフトウェア3.52にアップデートされたPS Vita上では、
PSM Development Assistant /PSM Development Assistant for Unityはご利用いただけませんのでご注意ください。※コンテンツの更新データの受け付け自体は、予定通り7月15日(水)まで受け付けております。
ご理解とご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。
もともとサービス終了が発表されていたPSMですが、3.51でのPSM Development Assistantの起動はできるので最新ファームウェア環境でのテストができなくなったという状況のようです。予定していたよりも早く開発者が自身の開発アプリケーションの更新提出ができなくなったわけではありません。ちなみに本来の予定は以下でした。
2015年5月31日(日) PSMアプリケーションの新規提出受付を終了
2015年7月15日(水) 配信済みのPSMアプリケーションの更新提出受付を終了およびPSMアプリケーションの配信終了
2015年9月10日(木) PSMアプリケーション内で購入できる追加コンテンツの配信および購入済みPSMアプリケーションの再ダウンロード終了
2015年11月30日(月) PSM Dev Portal閉鎖
RejuvenateによるHomebrew開発はまだスタートラインに立ったばかりで環境としてはこれから整って行くという段階でした。ソニーからすればここでRejuvenateを潰しておくのが吉と判断したということでしょう。
今後はまたイタチごっこが始まりますね、と書きたいところですが、今回はソニーがPSM Development Assistantというコンテンツの配布をやめた上に起動できない仕掛けを施したことになるので、ファームウェア自体の改変により起動チェックを回避するという高いハードルを乗り越えるか、3.51向けにPSM Development Assistantを違法に配布するかという選択肢しかなさそうに見えます。
PSPでハッカーに完全にシステムを掌握されてしまった反省から常に最新ファームウェアへのアップデートを要求する仕様になって発売されたPS Vitaですので、今後もHomebrew起動のためにずっと3.51のままでいてくださいね、というのは事実上困難です。3.52でもVHBLは起動するので今回は完全にRejuvenateが狙い撃ちされた形です。
[追記、というか書き忘れ]
コメントでもいただいておりましたが、当然ながら討鬼伝体験版のexploitは対策されました。