日本のみなさんご苦労さん? PlayStation Vitaの北米発売キャンペーンに5,000万ドル John Koller氏「投資額としては最大」

VG247で、2月22日に北米で発売されるPlayStation Vitaの発売キャンペーンのためにSCEAは5000万ドルの宣伝費をかけることを伝えていました。

SCEAのシニアディレクターJohn Koller氏はNew York Timesのインタビューの中で発売キャンペーンについて「新型プラットフォーム発売時のマーケティングへの投資額としては最大」と語っています。

PS Vita発売キャンペーンのテーマは「Never Stop Playing」直訳すると「プレイするのを止めないで」、翻訳するなら「ずっと遊ぼ」てな感じでしょうか。ターゲットは一週間に8時間はゲームをプレイする、既にPS3を持っている20代だそうです。宣伝費はテレビのスポットCMや看板、オンライン広告ツイッターやFacebookなどで使われるそうです。

日本で発売キャンペーンの時にテーマというかスローガンがあった記憶がないのですが、それだけ巨大市場である北米へのSCEAの力の入れ加減が分かろうかと言うものです。

5000万ドルは今の為替相場(1ドル約78円換算)でおよそ39億円、ピンとこない桁の数字なのでPS Vita本体が何台分なのかを計算すると、39億円は日本版PS Vitaの3G/Wi-Fiモデルの130万台分です。もっともPS Vitaの価格設定は1ドル100円換算程度で設定されているので北米の価格で計算するとおよそ167万台分になります。

かなりの高額な販売宣伝費を投入していますが、実はもし海外で発売する時に莫大な宣伝費を投入した事実が発覚したら計算してみようと思っていたことがあります。結論から言うと、計算上の結果はやっぱりな、です。

本来の正当な販売価格が北米版の3G/Wi-Fiモデル299.99ドル(円換算だと23,400円)だとすると(1ユーロ102円の欧州でも299ユーロなので少なくとも日本の29,980円という価格設定が正当だということはまずないでしょう)、日本の3G/Wi-Fiモデル29,980円が1台売れるだけで意図的に仕組まれた円高差益分に相当する6,580円の利ざやが生まれることになります。これが宣伝費の原資になる可能性があると踏んでいたのです。ドル建てで原価計算していたとすれば十分可能性はあります。

PS Vitaは2012年1月10日の段階の公式発表で日本での発売後、約3週間で累計50万台の実売を記録したことを発表しています。

その時点での”意図的に仕組まれた円高差益分”は

50万台 X 6,580円 = 3,290,000,000円

あれ?32億9000万円?あと6億円あまりで5,000万ドル?

つまり、計算上は”意図的に仕組まれた円高差益分”で労せずして得た利益から北米での宣伝費を捻出していることになります。もちろんWi-Fiモデルも販売台数には含まれていますので全部3G/WI-Fiモデルだと仮定した概算です。

もちろん勝手な想像ですので本当にそうなのかは消費者には分かりませんが、少なくとも私が営業担当者ならそうやって莫大な宣伝費の原資を計算しますし、私が経営者ならそういう計算ではじき出した宣伝費は決済します。

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