IGNで、6月にアメリカで開催予定だった世界最大のゲーム見本市E3 2023の中止が決定したと伝えていました。
E3を主催するアメリカのゲーム産業業界団体であるESA(Entertainment Software Association:エンターテインメントソフトウェア協会)が協会に所属するメンバーに今年のE3中止を発表したことを発表したようです。
発表はメールで行われ、中止の理由について「業界の規模や強み、影響力を示す方法でイベントを実行するために必要な持続的な関心を得ることができなかった」と書かれています。将来再開することに関しては言及されていません。
今年のE3はReedPopとのパートナーシップで開催し、リアル・デジタル両方で実施する予定でしたが、近年は任天堂、ソニーが参加を見送り、今年はついにマイクロソフトまで不参加を表明しており、E3のゲーム業界に対する影響力低下が懸念されていました。
コロナ禍で集客する類いのイベントは一旦中止されたなかで、ゲーム業界は自社コンテンツへの関心を広める方法を模索してきました。オンラインでのデジタルイベントは正にその役割を担うのに十分で、E3のような短期のイベントにコストを掛けるだけのメリットを見いだせなくなったのではないでしょうか。
今年は「3年ぶりの開催」といったイベントが目立ちます。新型コロナ感染症の恐怖から脱却してようやく今までと同じ同じ日常を取り戻し始めたところでしたが、このことが逆に「なくてもいいもの」をあぶり出してしまったと言えます。
来年E3が再開される可能性はゼロではありませんが、ゲーム業界自体が縮小している訳ではないので今年開催できなかったものが来年ならできるという理由がありません。唯一開催される可能性があるパターンは、任天堂、ソニー、マイクロソフトが音頭を取って協力してE3開催に向け動いた場合に限られるでしょう。