目指すはコミュニティ主導のSwitch MODチップ Picofly用RP2040搭載ボード McFly by Saliciae

GBATempで、Saliciae氏がNintendo Switchの3ドル自作MODチップPicoflyでの利用を想定してデザインした、Raspberry Pi財団の開発したRP2040搭載マイコンMcflyを発表していました。

McFly_1

私も3ドルで購入できるRaspberry pi用RP2040マイクロコントローラーを利用したPicoflyについては「USB端子が邪魔」との感想を書きました。汎用品を流用しているためSwitchにインストールする用途には向いていないのです。

McFly_2

そういう見方をするのは私だけではありませんでした。MODチップとしてSwitchにインストールしやすいようPicofly利用に特化したコンパクト&シンプル&スリムなRP2040搭載マイコン搭載ボードがMcFlyです。

McFly_3

USBポート自体はファームウェアの書き込みには必須ですが、必要なのは書き込み時だけでSwitchの中インストールした後は要らなくなります。McflyではそのUSBポート部分を分離できるようにすることで最も厚みの出るUSBポート部分をなくせるように設計してあり、その場合厚みを2mmにまで減らすことができます。画像を見る限りは分離と言うより「切り離す」仕組みのようで、物理的に基板を2枚に割って取り外してしまう設計のようです。

切り離した後の、Switchにインストールする基板部分は19mm x 19mmとかなり小さくなっています。現時点での市販製品の中で最も適しているであろう小型のRP2040-Zeroのサイズは18mm x 23.5mmなので、Mcflyの方が幅は1mm大きいですがちょうどRP2040-ZeroのUSBコネクター部分がない感じの大きさになります。

RP2040-Zero-details-size

USB部分を切り離してもpicoflyに必要な部分はメインの19mm x 19mm部分に残してあります。

現在はテスト段階とのことで、テストが完了したらCreative Commons Attribution Share Alikeライセンスというライセンスに基づいて利用されます。ライセンスはウィキペディアによると
「作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める。 」
という内容なので、著作権者の表示を行えば販売もできるというライセンスのようです。そのためコミュニティによる改良や第三者による商品化が可能です。

とはいえ、金儲けに利用されることをSaliciae氏は意図しておらず、目標はMODチップを「コミュニティ主導のオープンソースソリューションとして、簡単にインストールできるものを市販製品として入手可能なパーツを使い低価格で実現すること」としています。

Switch本体の分解とハンダ付けは必須なのはMODチップの宿命ですから簡単インストールとは行きませんが、コミュニティ主導のオープンソースという流れは逮捕者も出ているMODチップとしては存続できる可能性が残る最低限のラインなのかもしれません。

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