ソニーがコンソールのディスクゲーム生産を2028年1月に終了を発表
して以降、ソニーのディスク廃止に対するコミュニティの批判が収まりません。
ソニーとしてその批判に対して反応してこなかったことも火に油を注ぐ形になっています。
2026年7月31日にオンラインで開催されたソニーグループの2026年度 第1四半期 決算短信・業績説明会の中でメディアや投資家などからディスクゲーム廃止に関する質問が相次ぎ、ソニーがようやく見解を表明しました。
説明会の中で質問に答えたのはソニーグループ 執行役 CFOの陶琳(タオ・リン)氏です。ディスク廃止について質問したのはメディアが2人、証券会社が1人と、同じ事案について3件も質問が出たことはこれまでソニーから納得がいく説明がされていなかったことの裏返しです。
日経新聞 吉田氏の、ディスク生産終了の判断と世間の反応の受け止め、次世代機に必要な決断だったのか営業上の利益率向上が主眼にあるのかとの質問に対し、陶琳氏は次のように答えました。
PS5ディスク生産終了の件ですけれども、まず我々がアナウンスしたのは、2028年1月以降のディスクの製造終了ということです。1年半前のアナウンスになっております。
この結論に出した背景はもろもろありますけれども、最も大きいのはコンテンツ全体のデジタル化が進んでいるのが、大きな背景です。
それはもちろんプレイステーションだけではなくいろんなもろもろのコンテンツのデジタル化が進んでいる中で、今後を勘案した上で非常に時間かけて慎重に検討を重ねた上出した結論で、慎重に進めていきたいと思っております。
一方、その結論に対してもろもろなご意見お気持ちをたくさんコミュニティの方で寄せられていることは理解しております。まさにゲームっていうのは本当に多くの人々に愛されているエンターテイメントであって、それぞれの人々の思い出とかにも繋がるようなことですので、そういった気持ちもしっかり受け止めて今後デジタルのエコシステムの中で、どういうふうに現場の皆さまとの関わりをしていくかっていうフォローを模索していきたいという風に考えております。
フリーランス 西田氏のディスク終了についてユーザー離れや販売数量の変化予測を聞いた質問については
プレイステーションのディスクのところですけれども、こちらは2028年までですので、現時点では事業の方に影響は出ておりません。
今後にしても実際のコンテンツの売り上げに関しては、既に大半かなりのウエイトがもうデジタルになっておりますので、ディスクの終了によって事業に対するネガティブな影響は見ておりません。ただし先ほども申し上げた通り、それぞれのユーザーさんプレイヤーの皆さんのお気持ちをどういう風に受け止めていくか、引き続き模索していきたいと思っております。
ゴールドマン・サックス証券 宗像(むなかた)氏の、与える影響が大きい小売店との関係性をどのように維持するのかと、ディスクがなくなっていくことはゲーミングPCに近付いていくことになるが差別化戦略を教えて欲しいと言う質問に対し
ディスク販売の終了に関して小売り店との影響ですけれども、これは我々も30年プレイステーションやっていて確かに小売りのパートナーさんとの関係は非常に重要視してきました。今回のディスク終了について、まず一つはかなり早めに皆さまにコミュニケーションをすることによって様々なパートナー様の声を聞くようにするっていうのがまず一つです。それからすでに実は北米では起きてますけれども、ディスクはないんですけれども、パッケージの方にコードが入っているというような販売の仕方とかも始まっております。小売に関してはかなり地域の特性もありますので、それぞれの地域のパートナーさんとじっくり会話をして、ウィンウィンになるような事業モデルを模索していきたいという風に思っております。
PCとの差別化ですけれども、我々はディスクがPCとの差別化だという風には考えておりません。PCはPCのユーザーとしての遊び方があって、非常にロングテールだったりとか、そういったところがあって我々の強みはキュレートされているコンテンツ、 それからゲーム環境が一定であるとか、ハイエンドのゲーミングPCに比べるとアフォーダブルなど強みがありますので、ディスクが特に差別化という風に見ておりませんので、引き続き我々とPCゲームは共存できるという風に思っております。
陶琳氏の発言から見えてくる今後のPlayStationのデジタル時代への姿勢が見えてきました。
2027年7月にディスク廃止を発表したのは物理メディアから完全デジタルへの移行期間を1年半の設定したことが理由です。
長年共存してきた小売店との関係性をどうしていくのかという問題や、予想されるユーザーの反発への対応はノープランだったため知らん顔してたかのように見えましたが、実際には反応を見極めていたようです。
SNSでは批判の嵐という印象ですが、当然ソニーは市場調査をした上でディスク廃止に踏み切る決断を下し、デジタル化しても影響はないと見ています。もちろん一定数不満を持つ層が存在することも把握しているでしょう。ただ、その不満を持つ層が営業的に与える影響は小さいと読んでいます。
誤解を恐れず敢えていいますが、不満を漏らしているのはソニーが影響は小さいと判断した少数層が揃ってSNSなどで声を上げ、すんなり受け入れた層は理解を示して特段声は上げてないことが、表向き見える結果として世間が猛反対という形になっているのではないでしょうか。
ソニーが完全デジタル化に舵を切ろうとするのはこれが初めてではありません。
2009年11月に当時のソニーの携帯ゲーム機PSPのパリエーションとして物理メディア(UMDという小型ディスク)を廃してコンテンツはデジタルダウンロードのみとしたPSP goを発売しました。今から17年も前の話です。まだiPhoneも3世代目のiPhone 3GSだった時代です。
スマートフォンではアプリはストアからダウンロードするようになった初期の時代でしたが、ゲームコンソールでデジタルダウンロード専用は時期尚早だったことからPSP goは鳴かず飛ばずのまま市場から消えることになりましたが、その過去の事実はソニーが17年前から物理メディアを廃したデジタル専用コンソールに向けた準備をしていたことに他なりません。ちょうどPS6発売の時期に当たるのでタイミングを合わせたことになります。
それ以降デジタルダウンロード用のストアを整備し、デジタル販売のみに舵を切っても良いと判断していいレベルを超えたから物理メディア廃止を発表したというのが先日のコンソールのディスクゲーム生産終了です。SNSで非難囂々でも決定を覆すことはないのではないでしょうか。
非難の中身はディスクは残せ、ですが今後はどう考えても物理メディアはなくなっていくことは明白です。ユーザーが求めているのは「購入したものは捨てるまでいつでも使えるようにしてくれないと困る」と言う問題の解決であり、それはソニーが古いコンソールのストア販売をある時期を境に終了してしまって二度と手に入らなくしてきた事実があるからです。
ソニーがユーザーの意見を聞いて解決策を模索してくれるつもりがあるなら、ストアを閉鎖するタイミングで良いのでユーザーが購入済みコンテンツをバックアップできるソリューションを提供してください。バックアップしたデータはユーザーの責任で管理で構いません。データが仮に消えたからと言ってもう一度よこせとは言いませんからお願いしますよ。それを提案してくれたら批判はかなり沈静化するはずです。