Kotakuで、アメリカでは老舗のゲーム雑誌「Game Informer」が突如廃刊となりウェブサイトも閉鎖が告知されたことを伝えていました。
このブログでも何度も海外の情報ソースとして引用させてもらっているGame Informer。日本では発売されていない雑誌なのでなじみはありませんが、KotakuによるとGame Informerは「アメリカで最も長く続いているゲーム雑誌で、世界でも数少ない紙媒体のゲーム雑誌の1つ」としています。今年で創刊33年目を迎えています。
Game Informer誌のスタッフによると、先週金曜日に親会社である米大手小売店GameStopの人事担当副社長からミーティングに呼ばれ、出版を即刻中止、従業員全解雇、退職金支給を告げられたそうです。中には出張中のスタッフもいたそうで、いかに廃刊が急だったのかが分かります。
紙媒体のみならず、ウェブサイトまで全閉鎖ですので、GameStopのゲームメディアからの全撤退です。
The Final Level: Farewell from Game Informer ️ pic.twitter.com/tmrEB2TE7U
— Game Informer (@gameinformer) August 2, 2024
によると、Game Informerは33年前の1991年に創刊され、当初はビデオゲーム販売店Funcolandの社内報としてスタートし、雑誌として成長していきました。2000年にGameStopがFuncolandとGame Informerを買収し、更に大きな雑誌メディア、ウェブメディアとして成長を遂げてきました。
日本でも過去に廃刊になった雑誌メディアはありましたが、廃刊が事前に決まって発表され、最終号として発売され終焉という形を取ります。「決まったから終わりな」というビジネス的冷遇を受けるのはいかにもアメリカ的ではあります。
今回のGame Informerの廃刊は親会社GameStopの決定によるものですので、GameStopの業績が思わしくないのでしょう。ゲーム小売り業界自体利益を生めない事業になってきています。
ゲームはゲーム専門店で購入するというのはいまや過去の常識。ゲームはデジタルコンテンツとしてウェブ経由で購入できますし、既存小売店向けにわざわざ用意したデジタルコンテンツ向けのPOSAカードなどもどこで買っても価格は同じな上にゲーム専門店まで行かなくても近所のコンビニで購入できますから、ゲーム専門小売り店の存在意義は確実に薄れています。
日本でもかつてはあちこちにあった、新品・中古のゲーム販売店GEOは、いまや中古スマホ販売店なのかトラッグストアなのかよく分からない業種に化けています。
Game Informer廃刊は、ゲーム機とゲームの発売を永遠に繰り返すことで利益を生んできたゲーム業界自体が大きく変質してきていることを感じさせます。少なくともメディアを通じて消費者の需要を喚起し販売に繋げていくビジネスモデルが成り立たなくなってしまっていると言えます。