Team XecuterのGary Bowser(GaryOPA)氏 釈放される

TorrentFreakで、海賊行為で違法に利益を得ていたとして逮捕され収監されていたGary Bowser(GaryOPA)氏が釈放されたことを伝えていました。

Gary Bowser

Gary Bowser(GaryOPA)氏については逮捕後から容疑者、被告、受刑者と呼称を変えてきましたが、刑期を終え釈放されたことから今回からGary Bowser氏と記載します。

以前もGary Bowser氏に電話面会したNick Moses氏がGary Bowser氏にリモートインタビューして、現在の彼の状況が明らかになりました。

2020年秋、Nintendo SwitchのMODチップなどを販売していたTeam Xecuterのメンバーが海賊行為で違法に利益を得ていた容疑で逮捕・起訴されました。主にウェブでの広報活動(ハッキング情報サイトMaxconsoleの管理人GaryOPAとして活動)を担いTeam Xecuterの顔となっていたGary Bowser氏に昨年懲役40ヶ月の判決が下され、刑は確定しGary Bowser氏は収監されました

Gary Bowser氏はアメリカのシアトルにある拘置所に収監され、出所予定日は2023年7月31日とされていましたが、予定より早く3月28日に釈放されました。

予定より早く刑期を終えることができたのは彼の刑務所内での善行が理由です。Gary Bowser氏はETC(Earned Time Credits)という、教育プログラムや生産的な活動に参加する囚人に付与されるクレジットを刑期に加算することができるというアメリカの制度の適用を求めてシアトルの連邦裁判所に早期釈放の請願書を提出しましたが、実際には刑務所側が釈放日を早めたためにGary Bowser氏の要求は却下されたようです。

ドミニカ共和国で暮らしていたもののそもそもカナダ人であるGary Bowser氏は、今後まずカナダにいる友人のところへ行き具合の悪い脚の治療を行うとされています。今はワシントン州タコマにあるノースウェスト拘置所でカナダへ行く手続きをしているようです。拘置所にはいますが釈放される身分のためかなり自由がきく状態です。

Gary Bowser氏はカナダに渡航するため新たにパスポートを取得し、まもなくカナダへ渡航します。カナダとの国境に放り出されるかもしれないとGary Bowser氏は恐れていましたが、ICE(Immigration and Customs Enforcement: アメリカ合衆国移民・関税執行局)がGary Bowser氏をカナダのトロントまで送ることになりました。

刑務所内での仕事で収入はありました。その額は僅か175ドル(23,000円)で、賠償金の支払いに充てられたものの総額1450万ドル(約20億円)もの賠償金を支払うことになっているため焼け石に水です。今後毎月の収入のうち最大25%から30%を任天堂に賠償金として支払うことになっていますが、当面半年の支払い猶予が与えられています。

Gary Bowser氏が今後どれだけの収入を得ることができるのか定かではありませんが、これからほぼ死ぬまでずっと収入の最大3割が賠償金として自動的に天引きされ続けることになります。

Team Xecuterの逮捕状が出されていた他のメンバーのMax Louarn容疑者と Yuanning Chen容疑者はまだ逮捕にも至っていません。状況が変わらなければ、Gary Bowser氏は生涯に渡ってTeam Xecuterに関わったことによる代償をTeam Xecuterのメンバーを代表して一人で背負うことになるのかもしれません。

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