Polygonで、新型Nintendo SwitchがE3で発表されなかったことには理由があるとの考察記事を掲載していました。
Polygonの記事は情報筋からの裏話がベースになっているわけではなく考察に過ぎませんが、なるほど納得という内容だったので紹介します。
随分以前から発売が噂されている新型Nintendo Switch(通称Switch Pro)はBloombergがE3前に発表と報じたり大手販売店の内部システムに新型Switchがリストアップされたことが発覚したりしていたため、E3で発表されることを期待していた方はかなりいたと思います。
ところが実際にはE3最終日に行われたNintendo Direct | E3 2021では新型Switchについては一切発表されませんでした。
Polygonでは、E3での新型Switch(というよりも新ハード)の発表がされない理由として以下を列挙しています。
- 2010年のE3で発表された3DSや2012年のE3で発表されたWii Uがことごとく玉砕した。3DSに至っては発売から数ヶ月での値下げを余儀なくされた。
- そもそも任天堂がE3で新ハードを発表したのは2012年が最後で、代わりにE3終了後の数週間から数ヶ月の間に新ハードを発表してきた。2013年8月に2DS、2014年8月にnew 3DS、2016年7月にニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ、2017年6月(E3後)にニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン、2019年7月にSwitch Lite、現行Switchは2016年10月
- ゲームショウでの発表はゲームに焦点を当てる。ここでハードを発表すると発表した新しいゲームのフレームレートや解像度の話が出てきて任天堂のメッセージが伝わらなくなる。
今回のNintendo Direct | E3 2021で実は新ハードウェア『ゲーム＆ウオッチ ゼルダの伝説』の発表がありましたが、これは新ハードというよりも単なる『ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ』のバリエーション展開でしかない、極論すると新色発表に近いレベルと言えなくはないので、例外にもなっていないと考えて良いでしょう。そもそも『ゲーム&ウオッチ』はマリオの記念グッズであり、ビジネス上の収益の柱ではなくファンサービスグッズに近い存在です。
Polygonの考察は正にその通りで、大型案件は注目度の高い大型イベントで発表するものだと考えがちですが、確かに任天堂はWii Ｕや3DSで過去にE3で発表して連続失敗しています。E3で新ハードだけ発表して新しいゲームを発表しない戦略なら良いかもしれませんが、ゲームビジネスはハードを売ることが目的ではなくゲームを売ることが目的です。ハード販売はビジネス上必要なベース基盤の構築に過ぎません。大きなイベントで新ハードを発表しない戦略は理にかなっていますし、ここ10年近く任天堂はその戦略に沿って動いてきた事実があります。
過去の法則に従えば、やはり新型Nintendo Switch(命名則もそれに従うならnew Nintendo Switchかな？)はNintendo Switch Lite発表時と同様プレスリリースでの発表となる公算が高そうです。
Switch Lite発表時の2019年7月に私は「この時期に突然発表するくらいならE3で発表すればいいのに…」と書きましたが、任天堂はそもそもE3で新ハードを発表するつもりは全くなかったと捉えるべきでしょう。今まで出てきた新型の噂は「近く発表される」情報ばかりでしたから、Liteの例から考えても来月中には噂の新型Nintendo Switch(通称Switch Pro)が発表される可能性が高いと思われます。