PSPのアップデータやPRXファイルをPCだけで復号 pspdecrypt by John-K

GitHubで、 John-K氏がPSPのアップデータやバイナリデータをPSPを使わずに復号化することができるWindows/Linix/macOS向けコマンドラインユーティリティpspdecrypt v0.8をリリースしていました。

PSP-1000

2週間ほど前にソースコードのリリースはお伝えしましたが、今回ビルド版が配布されました。

PSP時代は考えられなかった、PCで動作するPSARDumper(アップデータを展開することができるがPSP本体で実行しなければならなかった)とも言うべきものです。PSARDumper自体がPSP上で復号に必要なキーを取得して処理を行いますが、pspdecryptはこれをPC上で可能にしました。

PSPが現役当時のPSPハックは何をやるにもPCでダウンロードしたデータをPSP本体で復号したり展開したりしてデータを作成、もう一度PCへ戻して改変してまたPSPへ戻すという作業が必要でした。PCで一発でできるのは夢のような世界だと思っていましたが、PSPが生産を終了した2014年から7年近く経ってようやくそれが実現できました。

pspdecryptはpspdecryptとpsardecryptという2つのユーティリティから構成されています。

psardecryptとpspdecryptが公式にPSPのPUP全ファームウェアファイルとPRXファイルをサポートしました。artart78氏、Proxima氏、Hedge氏や、そしてもちろんDaveeFTW氏の尽力のおかげです。
更に今回、(PSP-3000の)03g以降のIPLサポートも追加されました。

pspdecryptはprxファイルを復号、psardecryptはPSARのコンテンツを展開、復号、解凍するものです。PSPの最終バージョンであるPSP-3000には03g/ 04g/ 07g/ 09gというモデルがあり、工場出荷時の搭載ファームウェアによって分けられています。03g以降というのは、要するにPSP-3000全モデルという意味になります。

今までこういったPC向けのツールがなかったのは、PSARDumperを使えばできたので取り組もうとする流れができなかっただけなのかもしれません。実際John-K氏は「復号化のコードはPPSSPPから流用し、draan氏のlibkirkを使っています。KL3E/KL4Eの実装とPSARの抽出はartart78氏のものを使用しました」と語っています。これらはすべてPSPエミュレータのPPSSPP(Libretroコアのものも含む)のために開発されたものです。

よく考えれば、PPSSPPはPC等の単体でPSPをエミュレートしていますからPPSSPP開発段階でPSPを介さないデータの復号処理等は必須になります。復号処理をPCで動作させるべくコード化されるのは自然な流れで、途中でPSPハックにだけ必要な機能を抜き出したらPSPなしでデータを復号化するユーティリティできるよね、となったのではないでしょうか。

ある意味、PSPハックの歴史を間近に見てきたユーザーにとってはpspdecrypt は正にブレイクスルーとも言うべきものですが、実際にはここに来るまで誰も手を出さなかっただけの一番乗りのようにも見えます。

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