GitHubで、SciresM氏がFusée Gelée(NVIDIA Tegraプロセッサの脆弱性を利用し起動時に任意のコードを実行するcoldboot exploit)を利用して起動することができるNintendo SwitchのカスタムファームウェアAtmosphère 0.14.0をリリースしていました。
Atmosphere 0.14.0というバージョンは実ははかなり前から準備されていました。次のバージョンを0.14.0と決めてからSwitch本体のシステムアップデートがあったりなど状況の変化もあり、実際のリリースまでには時間がかかったのだと思います。Atmosphereは最新のファームウェアでも問題なく使えていた状況から、他のHomebrewのアップデートを必要以上に迫る頻繁なアップデートよりも今回のようなアップデートの方がより開発者の皆さんに支持されると思います。
Happy June 15th! Atmosphere 0.14.0 has released: https://t.co/XAgjhx9Exg
This includes the new system update api/installation homebrew daybreak, as well as other fixes/improvements.
I hope you all enjoy! :)
— Michael (@SciresM) August 1, 2020
Atmosphere 0.14.0をリリースしました。
Atmosphere 0.14.0 には、システムアップデートAPIやHomebrew Daybreak、修正や改良が含まれます。
大まかにAtmosphere 0.14.0 の概要をまとめてみました。
- ゲームカードのシステムアップデートをインストールするロジック再実装
- Marikoハードウェアでのexosphère(Horizon OSのセキュアモニターをカスタマイズして再実装したもの)サポート
- システムアップデートAPIが使用するDaybreak(Homebrew)の追加
- ファイルベースのemuMMCが起動時にエラーを出す等の不具合の修正
- 安定性の改善とユーザーエクスペリエンスの向上
Homebrew(ChoiDujourNXなど)が安全にシステムアップデートやダウングレードをインストールできるようにするためのAPIの追加
サポートしただけで、実際にMarikoで起動することは現時点では不可
ChoiDujourNXの動作に対してより安全、正確な環境を提供する。SDカード内のNCAファイルを使ってアップデートやダウングレードのインストールを行う。AtmosphèreがMarikoを完全にサポートしたら、Marikoでアップデートやダウングレードを行うことが可能になる。
実際まだ実用的ではないMariko基板モデルの話よりも、Daybreakの実装が1番のトピックです。
ChoiDujourNXはNintendo Switchのファームウェアパッケージをfuseを焼かずにmicroSDから直接インストールすることができるアプリケーションです。そのChoiDujourNXを使ってより安全にアップデートやダウングレードができる仕組みが用意されたことになります。