Reboot.msフォーラムで、ニンテンドー Wii UのeMMC NANDダンプのバックアップ方法とリストア方法のチュートリアルが公開されていました。日本語に翻訳しましたので公開します。一見簡単そうですが、Wii Uバラシでマザーボードとのご対面が必要です。バラシ方はiFixitなどを参考にしてください。
Wii UのeMMC NANDダンプを行うことで、現在のWii U本体のファームウェアの状態をそのままバックアップコピーすることができます。Wii UのNAND eMMCタイプチップはその見た目以外SDカードと非常に良く似ています。そのためメモリーの中身のコピーを作成することは非常に簡単です。
Wii Uの内蔵メモリに中にはインストール済のソフトウェアやWii UのOSが保存されています。
もちろんNANDの中身は暗号化されていますが、だからといってコピーできないわけではありませんし、書き戻しできないという話にもなりません。
eMMC NANDの読み書きでできること
Wii U本体のアップデートごとに”ステートセーブ”が可能になります。それがNANDバックアップで、そのバックアップはファームウェアのバージョンに関わらず本体へリストアすることが可能です。唯一の制限と言えば、NANDバックアップをした時のファームウェアにしかリストアできないということでしょうか。
例えば5.4.0のWii Uがあり、その5.4.0のNANDバックアップがあったとします。Wii Uを5.5.0にアップデートしてみてその動作を確認し、念のため5.5.0のNANDバックアップも取った後5.4.0に戻すという使い方ができるようになります。戻す時は単純に5.4.0のバックアップファイルをWii Uに書き戻すだけです。
任天堂はWii Uはインターネットに繋いでしまうと自動アップデートなので、アップデートするかどうかを聞いてくれません。eMMC NANDバックアップを取ってあれば不測のシステムアップデートにも対応できます。
注意: Wii Uには2つのNANDメモリがあります。1つはWii Uのシステムとアプリケーション用、そしてもう一つがWiiシステム用です。これから紹介する方法ではvWiiのNANDはコピーもリストアもできません。WiiのNANDについては別の方法(イタリア語です。注意)に従って下さい。
NANDとPCの接続方法
必要なもの:
・microSD->SDカードアダプター。microSDを接続するピンが見えるように事前に分解して開けておく
・SDカードリーダー
・配線用に使用する細い電線(AWG30など)
・はんだ
・(可能なら温度調節機能のついた)ステーション型のはんだごて
Wii Uのはんだ付けポイントは大きめにできています。任天堂がNANDのテストポイントとして使っているからでしょう。
このNANDのテストポイントをSDアダプターの該当場所へ繋げます。図解すると以下です:
ダンプファイルの生成方法
ニセSDカードをWii UのNANDテストポイントに接続できていると思いますが、まだそのニセSDカードをSDカードリーダーに挿さないでください。まずWii U本体の電源をオフにした状態で次の作業を進めます。
1. ニセSDカードをメモリーカードリーダーに挿し、SDカードリーダーのUSBコネクタをPCに挿します。
2. Wii U本体の電源を投入します。
注意: Windowsの場合USBディスクをフォーマットするか聞かれますが、絶対にフォーマットしないでください。フォーマットすると即Wii Uがbrickします。
デスクトップに空のテキストファイルを作成してください。そこにeMMCダンプが入ります。作成後あとでバックアップダンプファイルと分かるようにするために拡張子を .txt から .bak や .img に変更しておいてください。
アプリケーションはWin32 Disk Imagerを使います。http://osdn.jp/projects/sfnet_win32diskimager/でダウンロードが可能です。(最新バージョンはWin32 Disk Imager v0.9.5)
Win32 disk imagerをダウンロードしたらWin32diskImager.exeを実行します。
1. 先ほど作成した空のテキストファイルを選択するため、フォルダのボタンをクリックします。
2. ニセSDカードのドライブレターを選択します。
3. “Read”ボタンをクリックすると、空のファイルにダンプデータが上書きされます。
これでWii Uの内蔵eMMC NANDメモリのコピーが生成されます。SDカードリーダーの速度とWii UのeMMCメモリの容量によってはコピーには数分間かかります。容量が大きいとそれだけコピー時間もかかります。
Mac OSXユーザーはWii U NANDダンプの生成にはディスクユーティリティを使えます。Linuxユーザーはターミナルからddコマンドが使えます。Ubuntuの場合は”Disks”というユーティリティがあります。これらのツールはWii U本体への書き戻しの際にも利用します。
NANDダンプのリストア方法
バックアップの時と同じ要領でWii Uを電源を落とした状態でニセSDとPCを接続します。Wii Uの電源を入れたらPCでWin32diskImager.exeを実行します。
1. リストアしたいファイルを選択するためにフォルダボタンをクリックします。
2. ニセSDカードのドライブレターを選択します。
3. “Write”ボタンをクリックして書き込みが終わるのを待ちます。
この書き込み作業により完全にWii U本体のファームウェアが削除され、バックアップデータに置き換わります。
“Linuxユーザーは”がLinuxyu-za-haになっているのと、”PCで”のはずがPCデになっていますよー