wololo.netで、Major_Tom氏とMr.Gas氏が『ウェルカムパーク』というVitaのアプリケーションの復号化に成功したことを伝えていました。
『ウェルカムパーク』はPS Vitaのプリインストールアプリケーションで、どのVitaにもインストールされています。
Major_Tom氏とMr.Gas氏は先日Vitaのメールトリックで使うEMLファイルを生成しVitaのメモリーカードに直接アクセスできるようにするためのユーティリティEML File Generatorを公開しました。そこで使われているEMLトリックでPS Vitaのメモリーカードへアクセスすることができますが、結果としてメモリーカード(ux0:/ )のコンテンツの復号化が可能になったようです。
メモリーカードのコンテンツには、そのコンテンツに紐付けされたアカウント情報も含まれていますが、他のメモリーカードにそのコンテンツをスワップできるようにするためにはアカウント情報は消去してある必要があります。
『ウェルカムパーク』はプリインストールアプリですのでアカウント情報が入っていないのかもしれませんが、復号化することでアカウント情報の消去ができて、なおかつ別のアカウント情報の埋め込みができてしまうとダウンロードしてVitaのメモリーカードに書き込まれた有料コンテンツが他のメモリーカードにコピーできることになってしまいます。
つまり、今回のニュースは違法コピー起動に繋がりかねないエポックメーキングな出来事になるかもしれません。
そんなに甘くはありません。DRMに使われている電子署名は公開鍵暗号で出来ています。
これは暗号化と復号化で別々の鍵を必要とする暗号です。電子署名を発行するには、暗号鍵で正しく特定のデータを暗号化する必要があります。
仮に彼らが復号鍵を手に入れるか、PS Vitaの暗号エンジンにアクセスすることに成功したとしても、暗号化すること、つまり電子署名を発行することはできません。このため、違法コピーにつながってしまうようなことはありません。
/* なお、このような暗号の特性のおかげで、違法コピーから著作物を守りつつ、ゲーム機の環境をオープンにすることも可能となります。それでもクローズドにして自作ソフト等を禁止しているのは、ハードウェアメーカーが独占を行いたいからに過ぎません。 */