Acid_Snake氏がPS Vita2.60向けに突然VHBLを公開すると発表
した際、VHBLリリースを急ぐ理由として、以下の4つを挙げていました。
– Total_Noob氏がカーネルexploitを公開する可能性がある
– ファームウェア2.60はメジャーアップデートである
– exploitはAcid_Snake氏が知る限り少なくともEU/US版が存在する。日本版も他のリージョン向けも存在する可能性があるので、多くのユーザーにVHBLが提供できる
– 今回のexploitでのVHBL互換性は、最近リリースされたGamocracyやApache含めた今までのVHBLよりも遥かにHomebrew互換性が高い
ところが同じゲームのexploitを使ってVHBLを移植し、先にゲーム名を突如一般通常公開してしまったcosimo98氏の行動により、Acid_Snake氏の計画はすべて水の泡と化してしまいました。
Acid_Snake氏はwololo.netでその裏話を書いてくれています。実は先に挙げたVHBL公開を急ぐ理由というのは表向きの理由であり、本当の理由は別にあったのです。
シリーズ物で同じexploitを持っていたため、いきなり複数のゲーム名(『Arcade Darts』『Arcade Pool(EU版はArcade Pool & Snooker)、『World of Pool』『Arcade Airhockey & bowling』)が公開されましたが、実はここにもう一つ、『Pool Hall Pro』というゲームが名を連ねるはずでした。この『Pool Hall Pro』こそAcid_Snake氏がexploitリリースを急いだ原因の鍵を握っていたのです。
これらのゲームは全て同じexploitを持っています。日本版がないため詳細は分かりませんが、モジュールを使いまわしているなど何らかの理由により同じパターンでexploitが発動するのだと思われます。
Acid_Snake氏によると、まだ彼自身が無名だったおよそ1年程前に/talkフォーラムメンバーのwistine氏がAcid_Snake氏に連絡をしてきました。内容は『Pool Hall Pro』というゲームでクラッシュするのだけれど、exploitになるかどうか調べてくれないかというものでした。
その状況では『Pool Hall Pro』は単なるクラッシュでしたが、色々調べて行くうちに$raレジスタを直接書き換えることができるバッファーオーバーフローを引き起こす脆弱性の存在を発見しました。
その時点では『Pool Hall Pro』はUS版しか存在しないと思っていたため一旦話が止まっていたのですが、実はEU版が『World of Pool』という別の名前で販売されていたことが後になって分かったのです。更に、同じメーカーのゲームを調べたところ、同じようにexploitが存在することが分かりました。
これらのexploitは発見が難しいというものではなかったため、実は報告があるなどして把握できているだけでも20人が発見していたのです。そんなに数多くの人がexploitの存在を知っていたのに、把握できていない人達も含めて誰一人として1年という期間リークもしなければ公開もしなかったことは、シーンの統率力が取れていた証だったとも言えます。
ところが、PS Vitaの2.60ファームウェアの登場で状況が一変します。実は2.60でUS版の『Pool Hall Pro』が対策(セーブデータが破損扱いになる)されていたのです。他のタイトルは2.60でも動作していたため『Pool Hall Pro』だけが起動しなくなっていただけでしたが、Acid_Snake氏はソニーが他の同じexploitもこっそり対策してくるのは時間の問題であると判断し、その前にリリースすることを決めた、つまり2.60向けのVHBLとして確実に活用できる内に世に出してしまおうと決断したのです。
以上が突然2.60でexploitをVHBLとして公開することになったいきさつです。もちろんHomebrewへの互換性に優れていたこともあり、次のファームウェアアップデートで対策されてしまってはもったいないという考えもあったことでしょう。
今回のニンジャリリースは複数のゲーム名が列挙されるという大型リリースになる予定でした。
ところがその準備期間中に独自で動いていたcosimo98氏が突然『Arcade Darts』のゲーム名を公開してしまったのです。『Arcade Darts』だけだったことからも分かるとおり他のシリーズものに関してはcosimo98氏は特に感知していなかったようです。
『Arcade Darts』だけかと思っていたら『Arcade Pool』『Arcade Pool & Snooker』『World of Pool』『Arcade Airhockey & bowling』と突然複数のゲーム名が出てきたので私も不思議に思いましたが、それらは全てニンジャリリース向けに準備されていたことになります。
最近は安価PSP Minisがexploit探しのターゲットになっています。残念ながら日本ではPSP Minisが展開されていないため(日本版も存在したCEF向けの『Gravity Crash Portable』のように、海外ではPSP Minisとして販売されているゲームもあるにはあります)、日本だけ置き去りになってしまっています。日本版でもVHBLはリリースできるものはありますが、Minisと比べると価格が一桁違うというところで購入に二の足を踏むことが多い気がします。
誘導っ気たっぷりの記事で読んでて見苦しい。
大人気ないというか、なんというか・・・
できればこの手の記事は別でやってほしいですね。