PS Vita ePSP(PSPエミュレータ)の新たなexploit発見!でもね…

wololo.netで、xmax氏が2.05 PS VitaのPSPエミュレータで動作するユーザーモードexploitを発見したようだと伝えていました。

期待を煽るような内容ではないので予めお知らせしておきます。更にはwololo氏の書いた記事の翻訳でもありません。

今回は基本的にpsvitaturkyieというサイトでxmax氏がexploitを見つけたと報告しているだけで、それに加えてxmax氏と同一人物なのかも分かりませんがAli Atabakというアカウントでその動画が公開されているのみです。

httpv://www.youtube.com/watch?v=b2-cGoVHkcA

その動画も画面描画をしている(と思われる)、Hello Worldと同じ状態です。ePSP Vitaハックの極々初期段階と言えるでしょう。

内容的にはPS Vita 2.05のePSPで自作コードを実行しているということになります。

なお、突然PSPエミュレータのことをePSPと表記してますが、PSPエミュレータだと長いので単に楽して略しているだけです。特に意味はありません。

動画はいつもよく見るHello Worldと挙動が異なりますが、あれはsparta SDKを丸々流用したもので、sparta SDKに同梱されているHello Worldのソースコードをそのまま流用できて楽チンだから皆が使っているだけです。極論すると、exploitさえ持っていればあまりコーディングの知識がなくてもsparta SDKのHello Worldは誰でも作れてしまいます。

今回は画面描画のコードをそれなりに書いている風なので、技術的能力としてはVHBLの移植も問題ないのかなと思いますが、xmax氏曰く「TN-CまたはVHBLを移植してみる」とpsvitaturkyieで書いています。

ご存知のことだと思いますが、TN移植のためにはカーネルexploitが必要です。そのことを知っていてTN-C移植と書いたのかについては疑問を感じます。

本当にカーネルexploitを持っているならばHello Worldの段階でわざわざコミュニティに動画を公開するようなことはしないと思われます。ですのでカーネルexploitは持っていないのではないでしょうか。

ユーザーモードexploitでTN-C移植できると勘違いしているのかもしれませんし、VHBL移植がうまくいかなかったときのために2.02向けのTN移植を視野に入れているのかもしれません。

もっとも、2.02ではストアからゲームを購入できないのでゲームを持っていないユーザーにとっては2.02向けに公開されても意味がない話です。

もちろんVHBLなら実現可能かというとそうでもありません。

ここ1年ほど、PS Vitaのファームウェアの数以上にユーザーモードexploitがハイペースで消費された(6.60 TN移植のために同じファームウェアで複数使われたことが原因です)こともあり、最近めっきりexploitを新たに発見したというニュースが聞こえてこなくなりました。

このことでexploitが枯渇しつつあると思っている方も多いかと思いますが、実際には石油と一緒でexploit発見テクニックが広く知れ渡るにつれ、発見数は増えています。枯渇するような状態では決してありません。

ではexploit発見が表に出てこなくなった理由は何かというと、関数不足等の理由によりVHBLの移植ができないexploitしか見つかっていないことが理由の一つとして挙げられます。

そういったexploitはHello Worldが限界ですので実用性は皆無です。公開しても意味がありません。

そんな場合の唯一の活用方法は、6.60 TNやArkのようなCEF(eCFW)のトリガーとしての用途です。しかし、カーネルexploitが公開されていない今、VHBL移植の条件を満たしていないユーザーモードexploitの使い道は見当たらないのです。

非常に個人的見解ですが、もうPSPのユーザーモードexploitの実用的な役割は終わっていると思います。今後は新たな開発者がコミュニティに足を踏み入れるためのきっかけとなる教材として活用していくべきではないかと思うのです。

もちろんそのためには今回のような動画公開も開発者になるための第一歩として私は肯定的に捉えていますし、決して無意味なことだとは思っていません。

wololo.netのコメント欄に投稿されているような、ePSPのユーザーモードexploit発見段階で「待ちきれない!」とか「いつ公開されるの?」といった、VHBLを熱望視するのはもうやめた方が良いのではないでしょうか。理由は簡単です。結局Vitaアップデートまでの短命ですし、ゲームを購入する必要がある以上、実用性が投資したコストに見合わなくなっているからです。

コミュニティが開発者を育てる環境維持のためにVHBLリリースは今もこれからも絶対必要ですが、少なくとも一つのVitaファームウェアに一つのVHBLはもう必要ないと思うのです。

ですから開発者の方はこれからもどんどんVHBL移植に取り組んで行って貰いたいと思いますが、必ずしもそれを公開する必要はないのではないでしょうか。

皆さんはどう思われますか?

ちなみに、xmax氏の使っているゲームはUS版です。念のため。

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『PS Vita ePSP(PSPエミュレータ)の新たなexploit発見!でもね…』へのコメント

  1. 名前:とり 投稿日:2013/02/17(日) 21:33:37 ID:77115025a 返信

    純粋に「消費する側の感覚のみ」で言わせて頂くなら
    (V)HBLという物の存在自体がもうLCFWの誕生でその役目を終えましたしね
    Vitaシーンにおいても黎明期の頃ならばともかく、PSPハックシーンで培ったノウハウを元に上位の存在であるeCFWが早々に登場しましたし
    この上でも開発上の理由でなくHBLが欲しいという声が挙がるのは正直よく分からない所です

    中で出来る事の幅がまだ狭いのに強引に間口を広げてもメリットは少ないですし
    開発リソースの集約の為にもどこかで認識を改めるべきだとは思います

  2. 名前:Clocs 投稿日:2013/02/18(月) 01:19:10 ID:ffc15046e 返信

    自分もVHBLを公開しまくるのは反対です。
    TNが出たこともあって多分消費者側はISO起動が目的だと思うし、いたちごっこみたいのは避けた方がいいと自分は思います。
    VHBLやりたければ自分で作れって自分は思いますwwww