Eurogamerで、SCEワールドワイド・スタジオ社長の吉田修平氏がUMD Passportを日本以外で提供しない理由は需要の違いだと語ったことを伝えていました。
UMD PassportはPS VitaではプレイできないUMD版PSPタイトルを所有し、かつ同タイトルのダウンロード版を購入する際、UMDの登録を行うことで通常のPlayStation Store販売価格よりも安価に購入できるサービスプログラムです。
日本ではUMD Passportは2011年12月6日より開始されましたが、北米では提供されないことが分かり、最終的には日本のみのサービスになることが分かりました。
海外サイトWiredのインタビューに対し、吉田氏は日本ではPSPが北米や欧州と比べると非常に人気があるためVitaでもUMDのゲームをVitaに移してプレイしたいという要望が多く、更には現在でも新規タイトルの発売が続いていることを理由として挙げ、UMD PassportはSCEにとって全世界展開する程の需要はない、つまり日本以外での需要が多くないためだとしています。
「UMD Passportの仕組みは日本で導入されましたが、日本はPSPのゲームの需要がはるかに大きいのです。日本でのPSPタイトルの発売スケジュールを見ても分かる通り、日本では多数のPSPタイトルが今でも発売されていますし、予定もまだ多数あります。Vitaの購入を検討しているユーザーさんはVita発売前に購入したPSPのゲームをそのままVitaでもプレイしたいと思っています。でもわざわざデジタル版を選びたくないと。ですからUMD Passportのようなプログラムには非常に需要があるのです。」
吉田氏は更に、欧米では日本よりUMDタイトルの価格が安いため、日本以外では安価なデジタル版を再購入してもトータルであまり高くはならないこともその理由に挙げています。
「日本でもUMD Passportによるデジタルコピーは無償ではありません。システムの開発維持費にコストがかかるため、デジタルコピーを受け取るために5ドルから10ドルを支払っています。UMD版の購入費用に加えてね。日本の場合はUMDが欧米より高いので、日本のユーザーさんはデジタルコピーに対して余分に5ドルから10ドルを支払ったとしてもその方が得だと思ってます。最初から安い北米ではそういうシステムを提供しても意味がないと考えてます。」
確かに米アマゾンで見ると、PSPのタイトルは高いものでも40ドル程度、ベスト版は10ドル以下のものもあるなど全体的に安く感じます。それを知ると、日本でのみUMD Passport展開も分かる気がします。だったら日本の元の価格も下げてくれよとは思いますが…
いずれにせよ、UMD Passport価格はゲームの対価としてではなくサービスの対価として価格設定されていることが分かりました。