ロイターで、ソニーの次期社長平井一夫氏がSCEの事業モデルをソニー全体に広げていくことでアップルに対応するとコメントしたことを伝えていました。
アップルはiPhoneやiPadといったハードウェアに加えてiTunes Storeによるコンテンツ配信や、コンピュータの分野ではMacのアプリケーション自社開発などハードとソフト両面から市場にアプローチし、それがユーザーの支持を得ています。
SCEでPlayStationと共に歩んできたと言っても過言ではない平井氏は「ソニーはハードを重視する会社になるか、ソフト重視の会社になるか」との質問に対し、「ハードもソフトもコンテンツサービスもすべて重要だ」と答え、SCEのようにハードとソフトが支え合っているビジネスモデルを例に挙げ、ソニーもSCEのような会社に進化できる指摘し、今後はハードウェアだけではなくネットワークを通じたエンタテイメントコンテンツを供給することで「『ソニーらしい商品』を生み出す会社から、『ソニーらしいユーザー体験』を提供する会社に進化したい」としています。
アップルと同じようにハードもソフトも網羅する事業モデルでソニーを変えたいというのが平井氏の描くソニー像のようです。平井氏自らが率いたSCEのビジネスにかなり手応えを感じている証拠といえそうです。
確かにSCEのようなモデルは現時点では一定の支持は得ていると言えますが、ソニーというブランド全体ではハードウェアの企業というイメージが強いのも事実です。先日PlayStation Networkアカウントの名称をSony Entertainment Networkアカウントに変更したことは記憶に新しいところですが、ソニーの名称をより強く印象付ける名称にしたことはこれからの新しいソニーへの第一歩だったようです。
今後のソニー製品で利用できるであろうコンテンツアクセスへの共通アカウントとしてSENアカウントをどのように活用していくのか注目です。