ソニーの加藤優最高財務責任者(CFO)が決算会見でゲーム機開発の見直しを示唆したことを伝えていました。
【情報源:日経新聞 , Phile-web , Phile-webツイッター】
会見の記者質問の中で、加藤氏は
「過去数年の赤字の主な要因はPS3のプラットフォームに多くの技術を盛り込んだ結果、売値とコストに大きな乖離が生じたことだ。他社に投資余力がなかったため、自社で数千億円という設備投資をして半導体も作った。今は(半導体チップを受託生産する)ファウンダリーの状況も変わっている。PS3のように初期投資に膨大な金額をかけることは、将来のプラットフォームではもう考えない」
と語り、スペックを追い求め敢えて高コストなゲーム機開発をしたPS3のような考え方でゲーム機開発はしないとの方針を示唆したようです。
また、NGPの開発経緯については「NGPなどを例に取ると、ファウンダリーもかなり充実しているし、チップセットも“アリもの”の技術をうまく組み合わせながら、工夫を加えることで製品の魅力を上げる」
と説明し、PS3とは180度異なる方針で開発していたことを明らかにしました。
つまり
「今後は初期投資に大きな金額を突っ込むということは考えていない。ゲームはソフトビジネスなので、プラットフォームを盛り上げていくことを第一に考える。」、つまり売れば売る程赤字となるようなプラットフォームへの初期投資は一切せず、半導体自社生産もせずソフトウェア販売のためのハードウェアとの位置付けにするということです。
そのNGP発売日については明確な日時は示さなかったものの
「NGPについては年末の導入に向けて着々と準備している」
とし、PSN個人情報流出事件や東日本大震災の影響が懸念されていたものの2011年内発売のスケジュールで現在は動いているようです。
また、ソニー関連会社への不正アクセスが続いていることについて
「(個人情報が大量に流出した)PSNやキュリオシティとは全く別と思っている。抱えている情報や規模感も全く違う。一概に1つのものとしてとらえることはできない」
として、継続的に攻撃されているわけではないとの認識を示すと共に
「今はハッカーによる行為なので、特定の情報を抜き取って、大きな収益や泥棒行為をやろうというよりはハッカーコミュニティの間でのコンテスト的な色彩もあるように感じる。やれることはセキュリティーのレベルをしっかりあげることだ。ネットワークが進展するにあたってハッカーとの向き合い方や、社会全体の仕組みも含めて中長期的には吟味したい」
として、個人情報を金銭目的で盗んだ訳ではなく「コンテスト」、つまり感覚的にいうと腕比べ自慢大会的に行われているとの認識を持っているようです。
いまだに再開時期のアナウンスがされていないPSNについては
「5月中にすべてのサービスを再開したいという目標は変えておらず、日本などでも部分再開を近日中に行う」
とし、近日中の再開を示唆する発言もしています。