Bloombergで、シャープが5月11日に行った決算発表会見の中で、具体的な企業名やゲーム機の製品名について言及は避けたものの新型ゲーム機向けに液晶パネルの生産を立ち上げることを明らかにしたと伝えていました。「Nintendo Switchの次世代機が開発中いう憶測に拍車をかける可能性がある」としています。(ななしさん情報ありがとね)
記事を書いたのはBloombergの古川有希氏と望月崇氏です。
日本語版も出ました:シャープが新型ゲーム機用液晶パネル、任天堂次世代機への期待に拍車https://t.co/BiJWnW8T71
— Takashi Mochizuki (@6d6f636869) May 11, 2023
シャープが決算発表で公表したのは
「今期(2024年3月期)のディスプレイデバイス事業の主な取り組みとして新型ゲーム機向けに液晶パネルの生産を立ち上げる」ことと「新型ゲーム機の研究開発の段階から参入している」、「新型機向けに液晶パネルのパイロット生産ラインを立ち上げる予定」だけで、肝心のその新型ゲーム機が何なのかについては言及していません。
新型ゲーム機を発売する可能性があり、かつ液晶パネルが存在するというのは現時点で噂がある
・任天堂のSwitch後継機
・ソニーのPlayStation携帯機 “Q Lite”
の2つだけです。
したがってシャープが公表した新型ゲーム機はそのどちらかという可能性があることになりますが、BloombergはNintendo Switchの「次世代機発売の準備を始めているという市場の臆測に拍車をかける可能性がある。」と書いているだけでそれがSwitch後継機だとは一言も書いていません。一方で記事全体としてはシャープがSwitch後継機の研究開発の段階から参入していると読んだ読者が捉えるようなあいまいな書きぶりです。
日本語版も出ました:シャープが新型ゲーム機用液晶パネル、任天堂次世代機への期待に拍車https://t.co/BiJWnW8T71
— Takashi Mochizuki (@6d6f636869) May 11, 2023
どのような表現をしているのか気になってシャープの決算資料を一通り見てみましたが、そのような記載は一切ありませんでした。「市況の低迷により、スマートフォン向けやPC向けのパネルが減少」していることは書かれていたのでその対応策としてゲーム機への供給を進めているのかなと想像する程度でしかありません。
ところがどうもウェブサイトに公表した資料からはその表記が消えただけで、実際の決算発表会見で出した資料にはそれがあったようです。
シャープが新型ゲーム機向けに液晶を供給することは決算資料で触れられていたのですが、消えました。記事に使った社長コメントは、この資料を参照し「ゲーム機向けに新しいディスプレイを入れる、ではなく、新しいゲーム機向けにディスプレイを入れるということでいいか」の質問に対する回答でした。 pic.twitter.com/7zf1he61zD
— Takashi Mochizuki (@6d6f636869) May 11, 2023
会見での質問で、確かにシャープ側は既存のゲーム機ではなく「新しいゲーム機向けにディスプレイを入れる」ことに対して肯定する回答を口頭でしたようです。それがBloombergの記事に繫がったようですが、最終的に資料から消したということは一般公表してはいけない類いの情報だったことになります。
出しました:シャープは先程行われた決算会見で、新型ゲーム機向けに液晶パネルのラインを今年度に立ち上げることを明らかにしました。具体的な個社名や製品名には触れられませんでした。念の為。https://t.co/iNXjKDuBKr
— Takashi Mochizuki (@6d6f636869) May 11, 2023
それでもSwitch後継機だというのは憶測に過ぎません。ソニーのQ Liteの可能性もないとは言えません。