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ソニーのVRヘッドセット PS VR2 初動で期待を大きく下回る

Bloombergで、ソニーが発売したVRヘッドセットPS VR2は初動販売が目標を大きく下回ってスロースタートとなったと伝えていました。

Bloombergは以前2023年3月までに200万台生産する計画だったが先行予約が想定したほど伸びなかったため半減させ、2023年度についても150万台の出荷に抑えると報じていました。PS VR2は初動販売が目標を大きく下回っており、米調査会社IDCによると2023年3月までのPS VR2の販売台数は27万台の見込みだと報じています。

2023年3月までの販売台数を減らして100万台と計画していたとしても、実際に販売されたのはその目標計画の1/4程度しかなかったことになります。

VRヘッドセット自体に需要がないかというとそうでもありません。

TheVergeの報道によるとMetaのVRヘッドセットのQuestシリーズは累計で2000万台を超えているのでVRヘッドセット自体に需要がないわけではありません。PS VR2に需要がないだけです。

IDCのVP(バイスプレジデント)のFrancisco Jeronimo氏によると、

「世界中の消費者は物価や金利の上昇、失業の増加に直面している」中、プレイするためにはPS5(4万9478円から)の購入も必要なPSVR2は、ほとんどの消費者にとって最優先に購入する製品ではない

と指摘しています。

Quest 2もPS5より遙かに高いPCが必要なので、純粋にPS5の購入も必要だからというのはPS VR2が売れない理由としては違うと思います。物価高が顕著になってきたタイミングで市場に投入した高額商品を受け入れるだけの余力が消費者になかったのではないでしょうか。

またライバルであるMetaのVRヘッドセットのQuest 2は先日値下げを発表しています。PS VR2は74,980円(税込)ですが、Quest 2はPS VR2同等の価格から1万円近く値下げしたことになります。

Quest 2とPS VR2では使用できるプラットフォームが異なるので単純比較はできませんが、このご時世価格のインパクトは決して小さくありません。先のFrancisco Jeronimo氏も「PS VR2の値下げは、大失敗となることを避けるために必要なことだろう」と述べています。

私個人の意見としても発売日に購入した初代PSVR自体ほぼオブジェと化し、高額な価格設定の結果PS VR2にはどうしても欲しいという物欲が湧かずに購入を見送りました。

そもそもVRコンテンツ自体に物珍しさ以上の魅力を感じることができません。VRは「興味がある人だけが手を伸ばすニッチコンテンツ」だと考えています。今後もVRは広く認知される需要が大きな市場にはならないでしょう。Nintendo 3DSで任天堂がチャレンジした立体視とポジションは変わりません。

ソニーには、VRヘッドセットを幅広い層に販売してコンテンツの柱として育てるのではなく、興味があるユーザーにPS VR2を購入の第一候補として検討してもらえるような最もメジャーなデバイスに育てることを目指してもらいたいです。初代PS VRは決して成功したデバイスとは言えませんでしたが、このまま行くとPS VR2も初代PS VRと同じ道を歩む可能性が高いと言わざるを得ません。

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