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本体価格5,000円値上げのNintendo Switch(有機ELモデル) 部品コスト増加はわずか1,100円

Bloombergで、先日発表されたNintendo Switch(有機ELモデル)について部品コストの増加は1100円程度(有機ELとメモリ増加分)と試算され、事実上値上げとなっていると伝えていました。

高性能モデルになるはずだったSwitch Proと呼ばれたNintendo Switch(有機ELモデル)は、部品コスト上昇から1万円程度価格がアップすると言われてきました。
発表されたNintendo Switch(有機ELモデル)の価格アップが5,000円(正しくは5,002円)だったことからスペックアップはなかったにせよ「意外と安かった」という印象を私は持ちましたが、部品コスト上昇分が1,100円となると今回の新型がSwitchの実質値上げモデル追加だったことになります。

そうなると、そもそも5年目を迎えたゲーム機本体の値上げ自体が異例です。

Bloombergではソニーの場合PlayStation 4 Proのように性能の増強を伴う場合を除くと過去は値下げしてきたことに触れつつも、ゲーム機単体としての新型モデルの収益性が値上げにより高まるとしています。既存モデルを値下げしていないため、Nintendo Switch(有機ELモデル)の販売比率が高まるほど収益増に貢献する計算です。任天堂は強気です。

これについて需要が堅調なため値下げの必要がないから価格が上昇したという見方と、5000円値上げに見合う付加価値が提供できていないためライフサイクルを伸ばす効果は期待できないとの見方をするアナリストの見解をBloombergは伝えています。

もっとも、有機ELとメモリ追加だけでなく、Bloombergでは言及されていない有線LANが追加された(部品コストは若干は上がるはず)ドックの存在もありますので、部品コストだけでなく製造コストや営業利益を加えれば5,000円の価格上昇はぼったくりでは決してありません。印象という面では1万円程度の価格上昇という事前情報が5,000円アップを「安く感じさせる印象操作のための故意の情報リーク」だったのではないかとさえ思います。

発表当時のSNSでのユーザーの反応を見ていると、有機ELがインパクトの大きなパワーワード化した上に価格が上がったのがただの追加モデルだったこともあり、否定的な意見はあまりなく、比較的好意的な意見が多く見られました。Nintendo Switch(有機ELモデル)が既存モデルとの置き換えだったらこうはいかなかったでしょう。

ところが市場の受け取り方はそれほど好意的ではなく、任天堂の株価はNintendo Switch(有機ELモデル)発表以来、14日までに約5%下落しているようです。少なくとも市場からはNintendo Switch(有機ELモデル)が株価を引き上げるほどの材料にならないと判断されていることになります。今回のBloombergの「わずかコスト1,100円アップで5,000円値上げ」報道により更に株価が下がる可能性も否定できません。

ゲーム機本体は単なるビジネスを展開していく上で必要になるプラットフォームでしかありません。有機ELで画面が綺麗になろうがゲームコンテンツ自体の販売の方が任天堂にとっては大切です。ゲームの情報だけをNintendo Directで大々的に広報しながら、本体の発表は公式サイトでさらっと実施しただけであることからもそれは明らかです。

ゲーム機本体の価格設定は任天堂のビジネス上の判断でしかなく、現時点で市場がどう判断しようがユーザーとしては好意的に捉えられていることから、私はNintendo Switch(有機ELモデル)の5,000円アップは今でも妥当だと考えています。

みなさんは、部品コスト1,100円と聞くと販売価格5,000円アップをぼったくり価格だと感じますか?

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