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【私的予測もあり】Switch OLEDは「ダミー」本当のSwitch Proは別で存在 アナリスト予測

wccftechで、10月8日発売が発表されたNintendo Switch(有機ELモデル)は暫定的な「ダミーのアップグレード」で、本当の高性能版Switch Proは存在するとの予測があると伝えていました。

Switch Proと呼ばれてきた高性能版Nintendo Switchは7インチの有機EL採用のNintendo Switch(有機ELモデル)として発表されましたが、事前の報道では4Kに対応した高性能版と言われていました。

蓋を開けるとNintendo Switch(有機ELモデル)はハードウェアは現行モデルのMarikoから変わっておらず、極論すると内蔵ストレージが64GBに倍増し画面が大きくなって有機ELになっただけのモデルです。スペックアップの期待を裏切られ落胆した方も多いでしょう。

事前の報道との比較で落差が激しかったNintendo Switch(有機ELモデル)について、日本のゲームマーケットのコンサルティングビジネス会社であるカンタンゲームズの設立者でありCEOでもあるSerkan Toto氏(アナリストとして紹介されています)は、今回のモデルは「暫定的なアップグレード」の可能性があるとコメントしています。

「新型Switchはアップグレードというよりも暫定モデルのように見えます。『Breath Of The Wild 2』リリースと半導体不足が解消する来年以降までのダミーアップグレードの可能性があると考えています。」

このコメントはSwitch Proの情報を追いかけ続けながらもある意味「外した」と評価されているBloombergの望月氏が書いたNintendo Switch(有機ELモデル)の記事に書かれていました。望月氏がSerkan Toto氏にインタビューしたようです。望月氏は自身が取材し報道してきたSwitch Proの存在が正しくなかった(間違いとまでは言いません)ことに対して「そんなはずはない」との思いがあるのでしょう。

同じような認識をゲームジャーナリストのJeffrey Grubb氏も持っているようです。

Jeffrey Grubb氏は「Nintendo Switch(有機ELモデル)がSwitch Proなのか?」との質問に対し、別途2022年にSwitch Pro発売らしいとツイートしていました。

今でも2022年にSwitch Pro発売と個人的に聞いてます。それが事実なら、そこでDLSSに対応した高性能チップで4Kに対応する可能性があると思います。

今回のSwitchが、6種類も3DSを発売した会社の最後のモデルだと思いますか?

6種類の3DSは3DS、3DS LL、new 3DS、new 3DS LL、2DS、new 2DS LLのことでしょうか。new 2DS LLの発売がモデル末期の2017年ですから、数だけの話で言うとNintendo Switch(有機ELモデル)は本当の意味での最終モデルではないかもしれません。

Serkan Toto氏やJeffrey Grubb氏の発言から見えてくるものは、事実と断定はできませんがどうも業界内では任天堂がSwitchで4Kという話が今でもささやかれ続けてているという事実です。

メモリ増量の開発機ADEVの存在が拍車をかける

Eurogamer

では、Switch OLEDで実行されているゲームはノーマルモデル以外で実行されていることが認識できず、加えて開発者サイドが7インチOLEDでのテストを行う必要性もあることから、既存のSDEV(メモリ6GB)とEDEV(メモリ6GB)という従来の開発機に加え、8GBのメモリを搭載したADEVという開発機を用意される予定だと伝えています。

その情報を受けwccftechでは別の記事でアップグレード版の開発機がリリースされるということが、噂のSwitch Proモデルが今でもこの後発売されると言う噂に繫がっていると述べています。

複数の情報ルートから4K対応のSwitchの高性能版の話が流れてきていることになるので、計画が存在したことは事実である可能性が高いと考えてほぼ間違いないでしょう。実際4K出力できるテスト機などもあったのかもしれません。それがSwitch Proの情報に繫がっていた可能性は否定できません。それが発売されなかったことからまだSwitch Proの発売は消えていない、となっているのです。

Switch Proの存在を考える

任天堂のNintendo Switch(有機ELモデル)を見て、個人的にはハイスペック競争から常に一歩引いているブレない方針に任天堂らしさを感じました。高性能なSwitchをラインナップに加える方が違和感を感じます。

Nintendo Switchは巣ごもり需要でバカ売れしてモデルサイクルが伸びたといっても、発売は2017年3月ですからすでに5年目に入っています。ゲーム機のライフサイクルは通常6年程度、長くても8年程度です。5年目を迎えて別途ハイスペックモデルを発売するなら時期はやはり今しかなかったでしょう。そのタイミングでハイスペックモデルを発売しなかったことは、私は計画の一つとして存在はしていた高性能なSwitch Proの発売を任天堂は見送ったのだと考えています。

高性能化の旗印のひとつである4Kについてですが、ファームウェアの内部にあった情報は単なる4Kアップスケーリング対応なので、4Kモニターを所有するユーザー向けサービスの一つ程度の内容です。PS5やXboxに対抗できるレベルには満たないものです。高性能といってもノーマルモデルとの比較でしか出てこない表現でしかありませんので、そこにコストをかけて宣伝するだけの価値は薄いように見えます。その程度の新ハードに半導体不足による品薄が出てくると販売的には大打撃です。Switchの高性能化を見送った理由にひとつには、もしかすると半導体不足があったのかもしれません。

ゼルダ新作と合わせて「Switch Pro発売」との憶測については、ゼルダ新作はモデル末期に近いSwitchのためのカンフル剤の目玉でしかなく、そこに販売期間が短くなる運命の高性能新モデルを当てるメリットはありません。

ハードウェアはビジネスモデルの中ではプラットフォームの役割でしかありません。ハードウェアの販売で利益を生むのではなく、あくまでもソフトウェアで利益を出すのがゲームビジネスです。モデルサイクル後半のゲーム機に必要なのは高性能化の新モデル発売ではなく、値下げ等による市場への刺激策です。そこから考えると、今後高性能版のSwitch Proを発売することはビジネスとしては現実的にあり得ないという結論に行き着きます。

今後のSwitchはどうなるのか

私はアナリストではありませんが、個人的に今後のSwitchを予測してみました。

私が気にしているのはTegra X1 Mariko年内生産終了の噂です。任天堂が一度ハックされたハードをいつまでもそのまま放置しておくことは考えにくいので、そのためのハードウェアのアップデートは必要な措置です。Mariko生産終了は事実で、MODチップ対策として必要があるのではないでしょうか。変更したチップは必然的に少なくとも今よりは多少なりとも高性能なものにはなるはずです。

今回のNintendo Switch(有機ELモデル)でもMarikoが使われていますが、いくら対策とは言え任天堂の計画では2021年10月時点でチップをMarikoから切り替えるわけにはいかなかったのでしょう。Team Xecuterのメンバー逮捕は実はまだしばらくMarikoを継続する計画上邪魔だったから強硬な法的措置かつ警察当局をも動かす行動力で追い詰めたと考えるのが妥当です。そもそもMariko自体、Fusée Geléeによる不測の事態が発生したことに伴って登場したものです。Marikoは次こそ予定通り使えるプロセッサにするという目標に任天堂がこだわったと考えると筋が通ります。

したがって、今後1年の間のどこかでMarikoから新しいSoCに載せ替える可能性はあります。そういう意味では今回のNintendo Switch(有機ELモデル)は「暫定的なダミーのアップグレード」と言えなくはありません。

更に、モデルサイクル後半のゲーム機に必要な値下げが今のSwitchでは行われていません。今後どこかのタイミングで値下げが行われるのは過去の任天堂の実績から考えても間違いないでしょう。

Switch Proは1万円ほど価格が上昇すると噂されてきましたが、今後ノーマルモデルとSwitch Liteをストレージ32GBのまま値下げされる可能性はあると思います。Liteでの5000円値下げは考えにくいですが、ノーマルモデルの5000円値下げは十分あり得ます。結果、Nintendo Switch(有機ELモデル)とノーマルモデルとの差額が1万円になるかもしれません。

新チップ搭載による高性能化。Switch Proを表すキーワードは、実はSwirchシーンの流れを紐解いていくと見えてくるものと結果が同じです。キーワードだけ拾うと今まで出てきたSwitch Proの噂と合致する部分が多いと感じるのは気のせいでしょうか。

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