サイトアイコン 大人のためのゲーム講座

re3とreVCがDMCAテイクダウンでコンテンツ削除

Eurogamerで、『Grand Theft Auto III』をリバースしてPCでプレイできるようにしたプロジェクトre3と『Grand Theft Auto: Vice City』をリバースしたreVCが著作権を侵害しているとしてDMCAテイクダウン(アメリカのデジタル・ミレニアム著作権法に基づいて、著作権侵害に当たるインターネット上のコンテンツを削除すること)によりデータが削除されたことを伝えていました。

re3はPC版をベースにVitaへ移植した(re3-vita)やSwitchに移植した(re3-nx)、Wii Uへ移植した(re3-wiiu)もありますが、いずれも現在は削除されています。reVCも同様です。

移植版はオリジナルre3のプロジェクトをコピーした「フォーク」と呼ばれる状態で公開されていましたが、同じくDMCA テイクダウンでコンテンツが削除されています。
GitHubのDMCAテイクダウンポリシーによると、

GitHub は、親リポジトリを無効にするときにフォークを自動的に無効にしません。 これは、フォークが異なるユーザに属し、著しく変更されている可能性があり、フェアユースの原則によって保護されている別の方法でライセンス供与または使用されている可能性があるためです。 GitHub がフォークに対して独立した調査を行うことはありません。 著作権所有者がその調査を行い、フォークも著作権を侵害していると思われる場合は、テイクダウン通知にフォークを明示的に含めることが求められます。

となっているので、個別に著作権に違反していることを申し立てられたことを意味します。

re3のプロジェクトリーダーであるaap氏はEurogamerに対しDMCAテイクダウンを報告したそうです。誰が著作権侵害を申し立てをしたのがについてaap氏はGrand Theft Autoの著作権を持つRockstarの親会社であるTake-Twoであるという確証はないとしながらも、「荒らし行為である可能性は排除できないが、(Take-Twoによる)本物だと思った方がいい」と答えています。そのためEurogamerではTake-Twoに対して確認を求めています。

今回のDMCAテイクダウンはaap氏にとっても想定外だったようで、「Nintendo Switchに移植されたときに大きな話題になったがTake-Twoからは特に何もなかったので、問題にはならないと感じた」とコメントしています。

実際re3は起動するために正規のゲームを購入している必要があるため違法コピーには該当しないと思っていましたが、もともとTake-TwoとRockstarは改造に対して強硬姿勢をとってきたこともあり、今回のDMCAテイクダウンも「認可されていない改造は著作権を侵害する」という方向で実行されたのかもしれません。

こうなると気になるのは、同じGTAシリーズのAndroid版をVitaで起動させるgtasa_vitaや、『スーパーマリオ64』をリバースしたsm64などをTake-Twoや任天堂がどう判断するか、です。gtasa_vitaはオリジナルゲームの購入は必要ですし極論すると同じアーキテクチャ系統の別デバイスで起動させる改造ですのでちょっと毛並みは違うように感じますが、「認可されていない改造は著作権を侵害する」と言われればその通りです。sm64に至っては今回のDMCAテイクダウンより緩い基準で考えても限りなくブラックに近いように見えてきます。広い枠内で厳密に判断されれば著作権侵害に該当してしまう事項は多いので、リバースしてオープンソース化する行為自体がすべて著作権侵害と判断されてしまう懸念は拭えません。

モバイルバージョンを終了