Developで、任天堂が携帯ゲーム機エミュレーションソフトウェアの特許を出願していたことを伝えていました。
アメリカで任天堂が出願したこの特許は「性能が低いプラットフォーム」をターゲットにし、携帯デバイスゲーム機のパフォーマンスをソフトウェアでエミュレートするという内容になっています。
この出願技術で任天堂が具体的に何を想定しているのかが実は定かではありません。特許上は航空機や電車のシートバックに設置するディスプレイやPDA、携帯電話をターゲットにしていることが書かれています。
任天堂のビジネスモデルは、他社のプラットフォームへのコンテンツ提供を一切行わず自社プラットフォーム向けへのコンテンツ供給にターゲットを絞っていますが、他社製品含めた専用携帯ゲーム機以外のプラットフォームをエミュレーションで自社プラットフォームと同等化してしまえばビジネスモデルを大きく変えることなく任天堂独自のデバイスと同等にコンテンツ提供が可能になります。もちろん航空機や新幹線などの電車のシートバックディスプレイ(あるいはそれら製造メーカーからの特許使用料収入)を収益の柱にすることを検討していた可能性も考えられます。
任天堂はこの特許を利用し自社携帯ゲーム機以外へ携帯デバイスエミュレーターによる実質上のプラットフォーム増加を狙っていたのかもしれません。
「狙っていたのかもしれません」?
過去形で書いたのには意味があります。
特許には携帯デバイスとしてゲームボーイシリーズが明記されていて、そしてこの特許は2003年の10月に出願されています。つまり、ニンテンドーDS登場前です。それから8年半が経過する現時点で具体化していないところを見ると、特許は出願しただけかも知れません。